◆ 発破について ◆

= Tunnel_FAQ =

 


■ 火薬類

一般の方々は、発破というとすぐに火薬、あるいはダイナマイトを連想されることでしょう。
確かにそのとおりなのですが、業界用語で説明すると、若干異なります。
大別すると、火薬,爆薬,火工品となります。
そしてこれらを総称して「火薬類」と呼んでいます。

また、火薬類は、産業用と煙火用とにも分けることができます。
娯楽から業務まで、幅広い用途に供されます。
建設工事などで用いるのは、産業用火薬類です。
納涼花火大会などで打ち上げるような花火が煙火です。
家庭で遊ぶ花火は玩具用です。
玩具花火といえども立派な「火薬」です。
そのため、取扱いや遊び方は、十分な注意が必要です。
当サイトでの趣旨とは異なるため、
煙火、玩具花火については、説明を割愛させていただきます。


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■ 火薬,爆薬,火工品

火薬 :
火薬そのものは、一般の建設工事で用いられることは滅多にありません。
みなさんがよくご存知のダイナマイトは、爆薬の中に含まれます。
爆薬 :
ダイナマイトの他に、含水爆薬,硝安油剤爆薬などがあります。
トンネル建設工事では、以前はダイナマイトを多用していました。
安全性の観点からのニーズや、火薬製造技術の向上などにより、
現在では、含水爆薬(スラリー爆薬)を使用するようになりました。
また、硝安油剤爆薬(アンホ爆薬)を使用するトンネルもあります。
火工品 :
火工品を説明すると、かなり難解になります。
簡単に言うと、導火線(火をつけると少しずつ燃え伝わるひも状のもの)です。
火工品には、雷管(工業雷管,電気雷管)も含まれます。
雷管は、爆薬そのものを起爆させるために使います。

 

含水爆薬(スラリー爆薬)の例 電気雷管の例


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■ トンネル建設工事の発破

発破といっても、むやみに”かける”わけではありません。
確かに、ものすごく多量の爆薬を仕掛けるとすれば、それなりの破砕力が得られるでしょう。
ですが、現実にはそうしたことはないのです。
破砕しようとする岩盤の量(体積)に応じた、爆薬の量(薬量)を使います。
ですから、ひと山全体が吹き飛ぶようなことはありません。

従来は、導火線工業雷管爆薬、という発破でした(導火線発破)。
現在では、爆薬電気雷管電気導火線(専用の電線)、という電気発破が主流です。
導火線発破は、まさしく火をつけていました。
電気発破になると、火の代わりに電気がその役目を果たします。

家庭の電灯(照明)をイメージしてください。
スイッチを入れると電灯(照明)が点灯するでしょう。
それと似ています。
発破場所に電気回路を作り、その回路の一部に爆薬が仕掛けてあります。
点火(意識的に通電⇒スイッチを入れる)することにより、電気によって爆発させるのです。

また、電気は目に見えないため、暴発事故などに対する危険性があります。
爆発させようと思わないときに、何らかの電気がその回路に流れてしまったとしたら・・・。
そのため、発破作業の前には必ず、有害な電気(漏洩電流,迷走電流などという)が
あるかないか、を点検します。

 

     

 

 

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