◆ ドカ〜ンッ、と一発! ◆

= Tunnel_FAQ =

 


山岳トンネル工事では、規模や掘削方法にもよりますが、
一回の発破で、30〜70立方メートルの岩盤を破砕しなければなりません。
地質(岩質)の状態にもよりますが、爆薬の量は、10〜80kg程度となります。

その爆薬を1箇所にまとめて仕掛け、発破をすることはしません。
適度に分散して爆薬を仕掛けるのです。
加えて、その分散して仕掛けた爆薬が、すべて一瞬にして破裂することはありません。
トンネル断面の中心部から外側へと、ほんの少しずつですが、
時間差をおいて爆発させていきます。

言うなれば、時間差攻撃です。
この役目を担うのが電気雷管です。
電気は回路に一瞬にして流れます。
したがって、電気雷管が電気を受け取るのは同時です。
この電気を受け、電気雷管自身が爆発(起爆)するまで、時間差を設けているのです。

大別して、瞬発雷管,遅発(段発)雷管となります。
瞬発雷管は、読んで字のごとく、すぐさま爆発します。
遅発(段発)雷管は、
1/10秒(デシセカント−DS),1/100秒(ミリセカント−MS)と種類があります。
たとえば、0.1秒DS雷管の場合、呼び方として、
2段,3段,4段,・・・,8段,9段などの種類があります(製造メーカーにより各種あり)。
2段は0.1秒遅れて爆発、3段は0.2秒遅れて爆発、・・・、9段は0.8秒遅れて爆発、
というようになっています。

 

爆薬と電気雷管の配置イメージ(数字は雷管の段数)


一般的には、中心部から外側へと、雷管の種類を変えて(段数をずらせて)仕掛けます。
こうするとにより、岩盤を崩しやすく(破砕しやすく)しているのです。
まず、中心部が、瞬発雷管(1段)+爆薬で破砕されます。
続いて、その周りが2段雷管+爆薬で破砕されます。
それに続けて、さらに周りが3段雷管+爆薬で破砕されます。

このように、外側になるほど雷管が起爆するのが遅くなります。
ただ、0.1秒単位ほどのずれなので、すべてを合わせても、1秒から数秒の内で爆発します。
一回の発破も、細かく見ると、小さな発破のまとまりとなっているのです。
結果的には、わずかの時間差をかけて、岩盤を少しずつ崩しているのです。
つまり、一回の発破は、ドカ〜ンと一発ではないのです。
ドドドドカ〜ン、といった感じになるでしょうか。

 

     

 

 

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