◆ 建設工事の測量 ◆

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■ 測 量

測量、「そくりょう」と読みます。
一般の方々には、耳慣れない言葉かもしれません。
測量の「測」には、長さ・面積などを測るという意味があります。
測量の「量」には、重さ・容積などを量るという意味があります。
建設工事で行う測量は、簡潔に表現すると、
距離・方向・位置を専用の機器(道具)を用いて測る/量ることです。

距離 : ある点とある点との隔たり(長さ)
方向 : 基準となるものから見てどこにあるかという、むき・方角
位置 : 全体または他との関係で占める場所

建設工事で距離・方向・位置を測るとき、
意識するとしないとにかかわらず「次元」という概念を用いています。
我々の住む世界は三次元ですから、
前後、左右、上下の”ひろがり”をそれぞれ数値化して扱うのです。
代表的なものは、
東経/西経などの経度、北緯/南緯などの緯度、標高(海抜)が挙げられます。

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■ 
座標,座標値

たとえば、
前後の”ひろがり”を 「X」,
左右の”ひろがり”を 「Y」,
上下の”ひろがり”を 「Z」  として表示します。
次元の軸は、互いに直交(直角に交わること)しています。
つまり、ある点Aを(xa,ya,za)と、ある点Bを(xb,yb,zb)と表すのです。
業界用語で恐縮ですが、これらを「座標」,「座標値」などと呼びます。
これが、いわゆる位置のことです。

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■ 
距離(長さ,高さ)

A点とB点との隔たりを「距離」とし、それを測ることを「距離を測る」と言います。
距離、すなわち長さの概念ですから、単位は一般的にm(メートル)を用います。
蛇足ながら、
cm、mm、kmなども用います。
また、距離とひとことで表現している中には、
水平距離、斜距離などの用途に応じた呼び方をしているものが含まれています。

「距離」は、比較的、前後、左右の”ひろがり”に対するものです。
「距離」と似ていますが、
建設工事では「高さ(低さ)」という概念もあります。
上下(高低)の”ひろがり”に対するものです。
したがって、
それを測ることを「高さを測る」、「高低差を測る」などと言います。

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■ 
方向(角度)

基準点(xo,yo,zo)と、基準点(xp,yp,zp)とを結ぶ線分があるとします。
この線分OPに対して、A点やB点の向き(方角)を表すことができます。
基準点(基準線)からのある点の向き(方角)を方向とし、
それを測ることを「角度を測る」などと言います。
方向、すなわち角度の概念です。

角度の単位は、
長さの単位と比べると、やや複雑です。
一般的には、度・分・秒( °,′,″)を用います。
60進法を用いていますので時間(時刻)と似ていますが、
時(間)の部分が「時」ではなく「度」を用いることが大きく異なります。
度・分・秒の他に、ラヂアン単位や「度」のみの10進法で表示することもあります。
距離と同様に、角度の中には、
水平角、鉛直角などの用途に応じた呼び方をしているものが含まれます。

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宇宙規模で地球をみると、球体(厳密には楕円体)です。
現実には、我々は球面の上に生活しているのです。
「距離を測る」、「高さを測る」、「角度を測る」などの行為は、
実際には球面上で行われているのです。

しかし、実際の
建設工事がかかわる地域(エリア)は、地球のほんの一部分にしか過ぎません。
そこで、本来の球面を現実には平面としてとらえ、
前後、左右、上下の”ひろがり”という概念を持たせています。
厳密に言うと、測定した値には、球面と平面との差が生じます。
また、気象条件の影響、専用の機器(道具)自体の精度などからも誤差が生じます。
加えて、「測る」行為は人間が行っているのですから、
測定した値には人為的な誤差やミスも生じます。
そのため、様々な手法を用いてそれらの測定誤差を補正(修正)しながら、
工事測量は行われています。

 

     

 

 

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