![]() |
アレルゲンとしてのハウスダスト、ダニとその対策 | |||||||||||||||
小児の気管支喘息・通年性鼻炎の約90%がダニに対してアレルギーであり、年長者のアトピー性皮膚炎では重症度に比例してダニアレルギーをもっていることが多い。その患者さんがダニに感作されている場合には、以下のようなことがおきており、下に述べた対策を他の治療方法と一緒に行うと症状改善に有効であることが多い。 | ||||||||||||||||
家の中のホコリ(ハウスダスト)は、衣類・布団の繊維、人の皮垢、食べカス、カビ、ペットの体液の乾燥物・毛・フケ、外から持ち込まれた花粉も含んでいるが、その中の主要な抗原はヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニである。糞・死骸の方が生体よりも抗原性は高く、人の歩行・布団を敷く作業のあとで数時間以上も室内気中を浮遊しているため、長時間にわたり鼻腔・気管支内へ吸入され、気道のアレルギー炎症を引き起こしている。また夜間布団に入っている間にダニ抗原が皮膚に浸透し皮膚炎を慢性化させている。 このダニの成育好適条件は、温度20〜30℃、湿度60〜80%とされている。 |
||||||||||||||||
発生源対策 | 発生源対策 | 発生源対策 | ![]()
|
発生源対策 | ||||||||||||
室内湿度の設定 | ||||||||||||||||
除湿機を用いた部屋ごとの除湿、また品目別の乾燥(調湿)も行って、室内湿度は冬期40〜50%、夏季50〜55%程度を目標にする。家族全員の外出中には努めて除湿をしておく。 湿地帯や、崖下など日当り不良の土地での居住は避けることが好ましい。 |
|
|||||||||||||||
家庭内から除去すべきもの | それにかわる推奨品目、方法 | |||||||||||||||
絨毯・カーペット、古い畳 | ⇒ | ホルムアルデヒド・VOCを発生しないフローリング、 よくメンテナンスがされていて化学物質汚染も少ない畳 |
||||||||||||||
布製ソファ・クッション・ぬいぐるみ | ⇒ | オレフィン系レザー貼りソファ(木部にホルムアルデヒドを含まない)、洗えるクッション・洗えるぬいぐるみ | ||||||||||||||
室内ペット、観葉植物 | ⇒ | 屋外へ出す | ||||||||||||||
ダニアレルゲンの除去方法 | ダニアレルゲンの除去方法 | ダニアレルゲンの除去方法 | ダニアレ | |||||||||||||
寝具のダニ対策 | 防ダニカバー | |||||||||||||||
掛け布団は、押し入れから出す時期に丸洗いをする。敷き布団は梅雨の晴れ間と秋の初めに洗う。8kg以上の大型全自動洗濯機があれば薄手の洗える布団(生協製品等)なら自宅で対応が可能。 普通の布団では、機械洗い方式のクリーニング業者に依頼する方が現実的である。 丸洗いができない場合は下記の参考を参照。 |
東レ・アンテル、テイジン・ミクロガードを使用した布団カバーをおすすめします。インターネットで検索して購入できます。 | |||||||||||||||
丸洗い処理をした後の布団の乾燥法 | ![]() |
|||||||||||||||
花粉を付けないようにして(花粉用カバーまたは室内干し)日光にあてる、または布団乾燥機を毎日行う。 押入れは通気乾燥をする。 枕はポリエチレンパイプ・又は洗える枕を使用する。 |
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
ベッドの選択とメンテナンス | ||||||||||||||||
厚手のマットレスからダニ抗原が出てくるのを防ぐ適切な方法がありません。 薄手のものに防ダニカバーをかけてお使いください | 当面、無難な選択枝は、全てが 金属製のベッドに、防ダニカバーをかけた マットレスと布団ということになります。 ベッドの下には毎日掃除機をかけましょう |
合板を使用したベッドからは、暖められるとホルムアルデヒドが放散されます。木製ならば下板も含めて無垢材のものにしてください | ||||||||||||||
![]() |
寝室、居間に関しては、最低2週間に1回、1uあたり20秒間、市販掃除機(吸い込み仕事率210w/時以上、紙パック式吸塵機)で集塵し、寝具についてはこれを表裏同様な集塵をすることにより、1uあたり100匹以下に生ダニ数を減少させ、これを維持することができる。 (阪大医学部佐々木聖、西宮環境衛生局、大阪府立公衆衛生研究所1993の研究から引用) |
|||||||||||||||
掃除のしやすさ、ほこりの溜まりにくさ |
|
|||||||||||||||
寝室をはじめ各部屋は、ほこりが溜まりにくく掃除をしやすい構造、配置に変更する。 エアコンも掃除のしやすいものが好ましい。 電灯は天井直付けにする。 タンスの上に空間を作らないようにする。 本棚などには扉や蓋を取り付ける。 設計時は全ての構造物が壁面からの飛び出し部分がない〜少ない構造とする(面一施工) 障子は両側から紙を貼るとほこりがたまるのを防げる。 机や台の上には掃除をしやすいようになるべく物を置かないようにしておく。 |
||||||||||||||||
掃除機の選択と使用法 | ||||||||||||||||
普通の掃除機を使って、なるべく排気が戸外に出るように配慮するようにしましょう。 高価な掃除機は不要です。 花粉の少ない時間帯に窓を全開にして掃除をしましょう。 扇風機を窓辺で回しておくのも有効です。時間帯は朝が最良です。 日立社の掃除機には、オプションで長いホースを購入できるので、本体を室外におくことができます。また新築の場合にはセントラルクリーナー(日立、ナショナル)を設置することで、室内では埃を立てずに排気を戸外にだせるという点で理想的です。 アレルギーのあるお子さんは掃除中には他の部屋・戸外へ移動してもらいましょう。 大掃除の場合は翌日までは居室内のダニアレルゲン量は増加しているので インタールの増量など予防的な薬物療法も必要です。 畳もあまり古いものでなければ入念に掃除機をかければダニ数は減少していきます。 換気扇は掃除後数時間以上回しておきましょう。はたき・箒は使用しないように。 掃除頻度は、ダニ繁殖期の春夏秋には週3回できれば理想的ですが、 少なくとも週一回入念に行ってください。冬季は週一回程度でもOKです。 |
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
拭き掃除の方法 | ||||||||||||||||
脱水機で絞った雑巾10枚程を用意し、埃の多い場所から拭いていく。雑巾の洗浄は洗濯機で。 化学雑巾は薬品を使用しているため注意が必要です。 |
||||||||||||||||
カーテン・衣類 | ||||||||||||||||
洗濯は月一回程度必要です。 洗濯は大変という場合は、ロールスクリーンに変更して掃除機をかける方法があります (設置時は揮発物質が出るので換気を行う) ブラインドは埃をとり除きにくいのでNG。 押入れにしまってあった衣類は洗濯をしてから使用する。衣替えは換気をしながら行う。 |
||||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||||
暖房器具、エアコン | ||||||||||||||||
使い始めの時期には、クリーニングを行い、十分換気もしましょう | ||||||||||||||||
アレルギー index に戻る | ||||||||||||||||