独立開業にいたるまで

 
経営コンサルタントとして銀行で過ごした11年半

 東京三菱銀行では、経営コンサルタントとして最後の11年半を過ごしました。
 平成6年に中小企業診断士の資格を取得し、当初は一般事業法人に対する経営改善のアドバイス、経営診断を行いました。バブル崩壊後、経営の方向性を模索する中堅中小企業の役に立とうと一緒に改善策を考えました。
 平成9年からヘルスケア分野専任となり、医療・介護・福祉分野にのめりこみました。
 折からヘルスケア分野の規制緩和等の制度変革期に当たり、営業店におけるヘルスケア分野への関心が高まりを見せ、業務推進支援、融資判断支援のための取引先への訪問依頼が増加してきました。
 東京三菱銀行は元々個人開業医には強かったのですが、多額の設備投資が発生し表面的には財務体質、収益体質が弱い病院取引には消極的でした。ヘルスケア分野への理解不足という面は否めない状況で、正直言って、この分野でやっていけるのか不安がありました。


民間病院から国立病院まで幅広い運営形態を学ぶ

 とにかく、医療・介護・福祉分野の業種特性を知ってもらわなければなりません。そして、食わず嫌いを払拭しないと、この分野に目が向けられることはないのです。
 ですから、現場に対しては、ヘルスケア分野の市場としての有望性と既得権益の強さに伴う事業の安全性を啓蒙し、取引先の投資計画の妥当性検証などのサポートに努め、本部、特に融資所管部に対してはヘルスケア分野の融資判断スキームの確立を目指し働きかけを積極的に行いました。
 この結果、現場の動きが活性化し、地域の有力な医療法人取引等の獲得につながり、融資所管部のヘルスケア分野への理解度も深まって、融資が低迷する環境下においてヘルスケア分野の資金需要の強さが改めて強く認識されるようになってきたのです。
 平成14年末から公共セクター、特殊法人取引を所管する公共法人部兼務となり、行財政改革に伴う国立病院、国立大学の独立行政法人化をサポートする組織に入って、各種アドバイスを行ないました。今までは、民間病院との関係がすべてでしたが、これにより幅広い運営形態を学ぶことができました。
 また、ヘルスケア分野向けの商品開発(ABCP、診療報酬債権担保貸出、TKC開業ローンなど)に関与、M&A、ビジネスマッチングなどにも関わりました。