直熱3極管 300B
ロフチン・ホワイト真空管
アンプ
12AX7,300B Loftin-White Amplifier
2003'7 
改2011'1
真空管300Bがサムテックに有ります

からウロコ・・・ってこれか?
300Bロフチンホワイトアンプも最初に設計してから約10年過ぎましたので見直しました。 途中で度々定数を変えていますが、今回大きく変わったのは音がダイナミックになりパワーが上がりました。 使用するトランスで音は異なりますが、人気のある300Bなので、できるだけ良い物を使ってあります。 ちなみに今回基本に成っている回路はロフチン・ホワイト式で1929年に考案されものです。 最終的にはNFBを3db程掛けていますが、これは好みですので省いても問題ありません。 現状ではダンピングファクタが7.7と大きな値に成り、締った低域、爽やかな音質を奏でています。

回路試作中の様子です。 各メーターを見ながら定数を決めていきますが、ロフチン・ホワイト回路は1箇所変更すると全体が変わってしまいます。 計算する場合も、現物合わせをするのも根気のいる作業ですが、これも面白い作業です。

トランス類は電源装置の中に有るので、裏の配線は簡単にできます。 初段の選択にWE396A,417A、CV5112、6SL7等の手持ちの球を全て試しました。
写真では見えにくいですが、初段の12AX7には1mAの電流が流れています。 前段をSRPP回路にすると電圧が約半分になる為に回路は作り安く早く出来ましたが、ロフチンホワイトと呼ぶには・・・と思いやめました。
B電圧が475Vの時、出力管の300Bには70mAの電流が流れているのが確認出来ます。 12BX7のプレートに接続されている抵抗を変えると電流が40mA位から200mA位まで変わりますが、歪率と最大出力のバランスが変わってきますので、最良の値を探します。
ホームセンターで材料が揃い、便利な工作機械があるので簡単に製作できます。 今回も自作シャーシーです。 角度を45度に指定して丸ノコで骨組みを作ります。
切り終わった材料の接着です。6月の露の季節ですが、今日は天気が良いので、5時間位で木工ボンドの白い部分が透明になり、接着できています。 シャーシーが2mmなので、内枠は2mm下げて作ります。
ボンドも乾きましたので、カンナ仕上げとやすりかけを済ましで水性のニスを塗り仕上げます。 4〜5回位塗ると色も濃くなり綺麗になってきます。
骨組みの接着を待つ間にシャーシのアルミの加工です。 あらかじめ位置決めを済ませ、図面も書いておきます。 OPTの近くのチョークトランスは、後でイントラ方式に変更も可能なようにスペースをとる為に付けました。
図面をアルミ板に貼り、穴加工をします。トランスなどの四角の穴は4mm位の穴を沢山開けてニッパで切り落とし、大きめの平やすりで仕上げます。丸穴はシャーシーパンチで一発で開けることが出来ます。
内枠を2mm下げてあるので、アルミ板と外枠は平らになり綺麗に仕上がりました。 材木も全部で700円でしたが、色を塗ると立派な物に大変身します。 厚みも約50mmと薄いので、配線作業は楽に出来ます。。 
出来上がったシャーシーに部品を付けた底面です。 音量ボリュームをピンジャックの近くに配置したい為に、あとはボリュームにシャフトを伸ばし加工すると底面が完成します。
シャーシーに主な部品が載りましたので、配線を始めます。 線材も音質には影響するので、良い物を選びます。写真はWE製の布巻きタイプの古い物ですが、今回は20m用意しました。 使用したのは14m位でした。
今回のケースもアルミ板1枚のシンプルな物ですが、出来上がった配線もシンプルに見えます。実際部品点数が少ないからでしょう。 今回は大切なWE300Bを使うことを前提にしている為、電源ON時にヒーターに過電流が流れない様にタイマーリレーを使い対策をしてあります。
WE300Bアンプ完成しました。 工作は得意ですが性格上仕上げが雑なのが、より手作りの味を出しています。 2m位離れてみると、なかなかの出来映えです。 音量ボリュームの位置が悪いのは、ピンジャックの最短位置に入力トランスとVRを配置した為で、シャフトは延長してあります。
国産の300Bが発売され早速購入しました。 価格は10万円程で復刻版WE300Bと同じ位の価格設定です。 日本製造の商品なので嬉しいですね!。 これからも色々と期待します。
裏面はフイルムコンデンサで隙間が無いくらいに埋まっています。電解コンデンサの音に比べると繊細で更に透き通った音に変身しました。
出力トランスは中国製ですが新規設計の特注品です。 私はあまり詳しくは有りませんが4層サンドイッチ構造、インダクタンスを8H以上,線の太さ、1列巻くごとにワニスを塗布、絶縁紙等を要望して作って頂きました。(上海SUM電子科技有限公司)
設計思想

(10年以上前に書いた内容です)

300Bでは製作例が少ないロフチン・ホワイト式シンプルな回路のアンプで2A3ロフチン・ホワイトアンプとの音質の違いを探りたいと思います
何故
シンプルで音の良い回路なのに300Bの製作例が無いのか考えると、基本的に出来ないのか・・・。 何処かに落とし穴が有るのかと思いながらも製作することにします。 2A3が好きで、(故)宍戸氏の2A3ロフチン・ホワイトアンプを5台も製作して来ましたが、仲間の百十番様から300Bのロフチン・ホワイトアンプを作って欲しいと言われ、奮起しました。
ロフチン・ホワイトアンプの原型は250モノラル型で入力グランドが個別の為にモノラル・アンプを2台作る必要があり面倒でした。 此処では入手が簡単な12AX7を初段に使って作る事になりますが、内部抵抗。 誰でも製作できて、部品が容易に揃うような回路で、完成時には市販品に負けない素晴らしい品物に仕上げるのが目標です。

実際の設計
300Bの場合は2A3に比べるとB電圧が高めですのでAC420から440Vを整流することにします。 此処では電源の関係で420Vの端子からブリッジ・ダイオードで一度直流にして整流管を通す形をとりました。 最終的にはチョーク・コイルの前の抵抗でB電源の電圧を合わせます。
最終的に完成した回路を載せておきます。 12AX7は内部抵抗が大きくて直結アンプには使い難いので2回路並列接続で約1mAの電流が流れます。 B電源ですが、トランスあるいは、整流管によっては多少の電圧降下がありますが下がる分には殆ど問題ないと思います。 試作時には717A(5極管)、6SL7GT(3極管)、CV5112(3極管)、WE417A(3極管)等を試しましたが、何れも抵抗の組合わせを変えると使用できました。 他の候補としては、EF86/6267、WE310等も有ります。 尚、整流管は必ず必要で傍熱管タイプの物を使います。此れが無い場合は、電源ON時300Bのグリッド(入力側)に必要以上の電圧がかかり、結果的に300Bに大電流が流れてしまいます。 12AX7のヒーターが十分に温まると真空管が動作状態になって電圧配分が回路図の様になされます。
調整と評価

出力も上がり音質確認も終わったので早速本格的に製作に入ることにします。 今の段階ではモノラルのユニバーサル簡易配線のアンプなので、早くステレオアンプに仕上げたいと思います。 今は出力トランスがテスト用の小型も物なので、十分な低域は期待できませんが実際音を聞いた感じでは低域不足は感じなく、なおかつコンデンサによる色付けが無いので300Bの人気の良さが出てきていると核心します。 今までの300Bアンプとは明らかに違いを感じます。

今までの300Bアンプを越えたか! 
部品が揃いましたので配線工事を行います。 今は梅雨の季節ですので、休日は作業が進みます。 しかし今回使用したWEの布巻きワイヤーはまいりました。  長さを合わせニッパーで線材をカットする際に糸が解れてしまい、女子校生のルーズソックスのように足先が「ブヨブヨ」になってしまいます。 その上、放っておくとストッキングの伝線のように線全体が駄目になってしまいます。 その為カットする前に瞬間接着剤で糸を止めての作業になりました。 使った線材は全部で約14m位です。 部品点数が少ないので、朝から始めて夕方には見直しも含めて終わりました。 ダミー抵抗を付け一応の確認を一通り行いOKです。 一点アース配線とDC点火20000μの効果もあり、ハムバランスのボリュームを回してもノイズが出ませんでしたので、真ん中で固定して、残留ノイズが0.26mVと直熱管では信じられない位の性能だった事を報告しておきます。 また2A3の音も勿論良いのですが、この300Bも決して負けていません。 と言うかWE製の300Bを聞く前に中国製の300BでRCAの2A3を超えちゃったかな・・・・!。 
綾戸チエのCD「life」を聞いてみましたが、目の前で本人が歌っている様な錯覚を覚え、ピアノの実物がある様です。 決して自己満足の世界では無く、4曲目のテネシーワルツは、悲しい雰囲気まで伝わってきてしまい、泣きそうになります。 数曲聴いていると、まるでコンサートに行って聞いているような感覚で、幸せな気持ちにになり、別の綾戸チエのCDも続けて聞いてしまいました。 以前製作した無帰還WE300Bよりリアルに聞こえるように感じました。

今までのアンプでは音が悪くて聞けなかった「第九」小澤征爾 指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団/アンプロジアン・シンガース のCDがまともに聞けるようになりました。 何台ものアンプを手がけていますが、やはりトップクラス風格を感じる事ができます。

回路図
周波数特性表 歪率特性表

注意:上の特性表は中国に特注したOPT使用時なので10W迄シッカリ使う状況では15Wクラス以上の物が良いでしょう。 私は今のこのトランスがダンピング感が気に入って使っています。 当然、使用する出力トランスによって音質やパワー、特性やダンピングファクタ等が全て変わります。

サムテックより組立てキットが購入出来ます

初段が6SL7に変わってますが、サムテックよりキットが発売されました。 オーディオ専門誌MJ(無線と実験2012年9月号)でも記事に取り上げられ魅力的に紹介されています。 フイルムやオイルのコンデンサーを贅沢に使いステンレスのケースで斬新な形に仕上がっています。 

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