直熱3極管シングル 9W パワーアンプ
真空管
5AR46AQ8STC-4300A

全段グリッド
チョーク直結回路

信号系にコンデンサも抵抗も使わない新発想
6AQ8,STC-4300A Singl Amplifier

2011 ' 4

真空管300Bがサムテックに有ります

今回製作したアンプは先日見直した300Bロフチン・ホワイト・アンプの音が良かったので更に上のレベルの物を目指して超高級パーツを使って製作しました。 最終的にはSTC-4300A刻印(WesternElecticのイギリス支社)スタンダード・テレフォン・カンパニーを入れました。電位的特性は300Bと同じです。
特徴
オール・グリッドチョーク、チョーク直結回路
全てのコンデンサはオイルとフイルムを抱合わせ
初段、出力管のフローティングを行なった防振対策
信号系に抵抗やコンデンサ磁気結合も無いシンプル回路
直熱3極管シングル無帰還でダンピングファクタが5.7

STC−4300A(イギリス) ヴインテージ管。当時のWE300Aの技術で作られた最高傑作1933年から製造されました。 CV1452/Fの旧丸ロゴは軍用仕様で使用目的の違いや多少作りが違うようで音に変化を齎されます。
初段のドライバー管に使用した6AQ8です。 これも国産で東芝製を使ってみました。 片ch2本の仕様です。 残留ノイズが1.2mVでしたが、選別できるとモット下がると思われます。 私は予備を含めて5本購入しました。
整流管の5AR4です。GZ34等と同じ規格です。 これも又国産の東芝製を使ってみました。 今回製作のアンプは全て日本で作られた球で統一しました。 
シリコン・ゲルブッシュを使い真空管をフローティングさせました。 MT管には更に2重のフローティングを施しました。 此れで防振対策は完璧です。
シャーシにフローティングさせた真空管取付けシャーシを組み込んだ様子です。大きなシャーシーですが中は部品で隙間が無いほどに埋まります。
大型ですが、アンプ部に関係のある所は全てオイルとフイルムのコンデンサを抱き合わせて使っています。 少し贅沢な使い方ですが、前段の数ボルトと小さな電圧の場所も全部同様です。
電源はスタットで浮かし、シャーシー上面に置き、ノイズ低減を心がけました。
電源は3Pインレット・タイプを使用しました。電源ケースの後方には整流管があります。
電源トランス類をシャーシー上面に配置したので 下部中央がスッキリして、底にトランス式アッテネーターを組み込みました。アンプ部は完全に独立して回路を組んで有ります。
機器の状態を何時でも監視出来るように100mAの丸型電流計をつけました。 孔のサイズを間違えてしまい、このステンレスのケースを時間をかけてヤスリで削って組み込みました。
自作で自分の物を作る場合、底板は殆んど付けませんが、中央部にアッテネータ回路を組み込んだので付けました。 なので中央部のシャーシーに孔は開けてありません。
アクリルで真空管カバーを兼ねた装飾品を作りました。 自分で図面を書いて業者に作っていただきました。 なんと、LEDを組み込んで全体が光るように工夫してみました。
電源線も自作しました。3Pインレット式です。 あまり興味が無かったのですが、調べて見ると沢山のパーツが出回っていました。 此処では銀線のケーブルを1.2mで製作しました。 音質に付いては下記を参考にして下さい。
自作電源ケーブル DIY Power-Cable
製作にあたっての構想
下記回路図を見ていただくと解りますが信号系に抵抗、コンデンサを一切使用していません。 普段、此処まで凝った物は作りませんが、贅沢なパーツを思いっきり使ってみました。 アッテネータはトランス式に変え、ハムバランサーも有りません。信号系のトランスは全てファインメット・コアで統一、線材は銀線、銀ハンダと凝った作りで仕上げました。初段のチョーク・トランスはDCR3kΩ程なので抵抗に置換えも可能です。 6AQ8を4段パラ接続にして内部抵抗を下げたお陰で入力電圧1Vの信号に対して、300Bのグリッドには約100Vの信号を送り出す事が可能と成りました。 トランスは交流信号が入った場合の実際の抵抗値が良くわからないのでロードラインを確認するのは面倒なのでオシロスコープで波形を確認しました。 この回路では300Bに80mAを流して特性の最良点を見つけました。したがってシングルアンプですが10W(THD5%1khz)を確保できています。 なお、嬉しい事にダンピングファクタが5.7と上がって無帰還では驚異的な特性を得ています。初段真空管のカソードにはチョークトランスを入れて有ります。 コンデンサを抱かせているので抵抗の役割としていますが、ノイズ低減と音質向上に役立っています。 コンデンサはオイルとフイルムを抱かせ、電解コンデンサは有りません。
特性と音質

一番下側に国産高槻300Bを使った場合の波形図を載せておきました。 この様な素晴らしい波形特性をあまり見たことが無いです。 真空管は現在ECC85/6AQ8はMullard、300BはSTC-4300A刻印に変え、格段と良くなっています。 ダンピングの利いた低域は異質の物で音の澄み具合が他のアンプとは違い素晴らしいと思います。 この回路は私のシングルアンプの中で最高傑作になるかも知れません。

4300Aシングル無帰還パワーアンプ 回路図
100hz
1khz
10khz
今回紹介したアンプは信号系に抵抗もコンデンサも無い直結回路です。 大きなダイヤモンドの原石を見つけた気分です。 やはり、一般に作るアンプとは音質に差があり、これ以上シンプルな2段構成のアンプは今後もできないのでは無いでしょうか! 勿論、この回路は簡単にプッシュプル化が出来ますね!。 実に楽しみです。
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