オール直熱3極管・直結アンプ
45ロフチンホワイト・アンプ
3A5,45 Single Amplifie
2013’7’7

小型真空管アンプを多く手掛けてきました。 小型化されたアンプは電力や熱を気にしないで手軽に扱える便利さが良く、なんとテレビの音声をも真空管アンプで聴くようになってきたのは自分でも嬉しい限りです。 ただ、ウエスタンエレクトリックのMT管を持ってきて高価な物を作っても自己満足度は上がる物のその音質の違いは少ないので+αを探してしまいます。 欲が深いと思いますが何かが足りない気がしていたのです。 楽器を使う場合にパワーがあと少し欲しいなと思っていました。
 そんな時に偶然にも友人からTV52のアンプを頼まれました。 10年以上前に相棒を亡くしたRCAの刻印45を思い出しました。 蛍光灯のひもを伸ばしたのが揺れて真空管を直撃しました。 過去に球が破れる事が無かったので当時深いショックを受け、銘柄の違う45も数セット有るにもかかわらずお蔵入りでした。 幸い、まだ手元の1本は元気なので其の相手を探す事とし、設計をスタートしました。 取りあえずシルバートーン45で製作しました。 パワーは1.5Wあります。 電圧を少し上げるともう少しパワーは上がりそうでが私は此れで十分です。 
サイズが大きくなったので小形アンプでは無くなってしまいましたが、自分としては究極のロフチンホワイト式アンプが完成した様な感じなので、今回は此れを紹介したいと思います。

主な性能
ダンピングファクター
周波数特性 17hz〜30khz(−3db)
最大出力 1.5W(歪率5%1khz)
入力感度 1.25V(1W時)
残留ノイズ 0.3mV(入力オープン)
45 ロフチンホワイト・アンプ
主に電池を電源として使う様に設計されている物で、以前はトランシーバーやラジオに使われていた小型7PINのMT管です。 私も過去にプリアンプに使用してきました。 マイクロフォニック・ノイズに悩まされた経験が有り使い難い球だな〜と思っていました。 今回試作の結果使用に際しては気にならない程だったので、フローティング等はしていません。
10数年前に相棒が先立ち、探していたところ、最近になって譲ってくれる方がいて又、45アンプを復活させる気にさせたRCAカニンガム・ラディオトロン45刻印です。
少し電解コンデンサーが多めですが、実際に作ってみると結構簡単に基本回路は完成しました。
45の親分は30mmのスタットを使い真空管プレートを絶縁させ、更に真空管の高さを合わせるのに丁度いい感じです。 今回電流制限用のICを使いますが、このプレートを放熱板を兼ねて写真の様に配線してあります。
今回はボリュームを付けませんでした。 プリアンプ使用が前提です。 しかし、1.25V入力で予定の1Wが出せるので必要に応じてボリュームを付けても良いでしょう。 電源スイッチも無いシンプルなアンプです。 トランス類はなるべく遠くに離しました。
回路設計
さて、究極の回路図を見て頂こうかな。(下側にあります)何が究極かと言うとコンデンサーの使い方なんです。 中央部横線に並ぶコンデンサーラインの上側が信号ライン、下側が電源ラインと明確に分かれます。 勿論NFBは掛ける事はできません。 何といっても信号の伝達が早いのが特徴で音質の違いが実際に確認できす。 コンデンサーを普通の回路のようにすると、いくら世界の45でも音質の差は目立った物はありません。 信号系のコンデンサーを必要な位置に配置させ、信号の伝達を早くするのが目的で、しかも必要な位置で信号はループするので残留ノイズは0.3mVより下がります。 全くハム等が無い状態です。 しかも、目玉は前段にも直熱3極管を選んだ事。 増幅率が足りないので10kΩ:50kΩのインプットトランスをかませてあります。 √10000:√50000=2.2倍位のレベルアップですね。 プリアンプが5V位出せれば入力トランスは不要です。 尚、図面ではボリュームはありませんが、必要なときはインプットトランスの後ろの51kΩを50kのボリュームにすると良いと思います。 前段の3A5は絶縁式DC-DCコンバーターを使いハムバランサーの調整用ボリュームを省略しました。 51KΩの抵抗はマッチッグを合わせる為と高域を落とす為で、これが無いと高域が暴れます.。 また、回路図をみて整流管が無いのがお解かりと思います。 これは各真空管のヒートアップがほぼ同時に行われる為に昔言われた「七面鳥アンプ」の状態には成らない為です。 また、電流制限ICも有り過電流状態にならないのも大きな特徴です。 
製作上での注意
抵抗値は近似値の物では無く合わせて欲しいです。 例えば35Ωと書かれていれば、20+15Ωを直列にします。 16.5Ωと書かれた場所は33Ωを2個並列にします。 ヒーターの電圧は抵抗値が若干変わる事があるので5%以上違う場合は現物に合わせ抵抗値の変更が必要です。 
電源のFETはシャーシーにネジで固定して放熱処理をします。 LM317も熱くなりますが金属部が露出してますのでシャーシーに直接固定する事が出来ません。 私は45用にシャーシープレートを追加して30mm下げてあります。 その固定用スタットをプラスティック製の物を使い、絶縁させ、45のソケットの部分に固定しました。 つまり、シャーシーと真空管ソケットの金具間には電位差があるわけです。
45の100Ωのボリュームは中央付近に合わせてください。 無調整でもハム・ノイズは無いと思いますが、スピーカーからブーンと音が聞こえる様でしたら音の小さくなる場所に合わせれば良いです。
感激の高音質!
さて、この回路で驚きの音が飛び出してきます。 作った甲斐があります。私は多くのアンプを作ってきましたが、この様な音質をするアンプは殆どできません。 大げさに言うと5〜6年に一度出来るかどうか? 位の物です。 私の45アンプは此れで集大成。 他に作っても、此れを超えるものが難しい・・・回路では無く音質。 
全段直熱管45ロフチンホワイト真空管アンプ回路図
信号の流れ
周波数特性表 歪率特性表
周波数特性17〜30khz(−3db)は特別優秀な特性を持っている事も無いですが、無帰還アンプでこの状態は可也優秀です。 OPTの性能が出てしまうので特性の良いトランスを使うと改善が期待できます。 実はこの小さなOPTでもファインメットコアなので音は上等なので替えようとは思いません。 音質は特性だけで決められません。 オール三極管が効いているのかダンピングファクターも丁度良いです。 古典球の魅力があります。
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