直結2段作動式プッシュプル
3A5・ハーフワッター
全段直熱3極管・3A5真空管アンプ

0.5W+0.5W

RCA-3A5 Half Watter Push-Pull Amplifie 2014'5

からウロコって此れか!
そろそろ新しい刺激は如何でしょうか! 私のMT管ミニワッター・シリーズに全段直熱管のアンプが加わりました。 実際に全段直熱管アンプを聞いた経験の有る方は少ないのではないかと思います。 なぜかと言うと、規模が大掛かりで簡単にシステム構築が出来ないからです。 ここではパワーこそ少ないですが全段直熱プッシュプル構成で、しかも直結回路を考えてみました。 先日7044ppアンプが完成して1か月も経たないのに、欲の深い私です。 サブシステム用と言えどメインシステムの音と比べてしまいます。 やはり、何か物足りないんです・・・。 前はパワー不足が原因だと思い込んでいました。 ところが、パワーが上がっても何か違います。 そこで考える事は、やはりMT管の直熱管アンプの構想です。 完成してみると結果は良好でした。 私の過去のMT管ミニワッターシリーズの中ではトップクラスのアンプに成ったので紹介します。
大きな特徴
・全段直熱管
・全段作動式
・全段直結回路
・私のMT管アンプで断トツな音質
今回製作したアンプの諸特性です
NFB=0db
NFB=4db
周波数特性 6hz〜74.7khz(−3db) 5.4hz〜76.7khz(−1db)
最大出力(5%歪時)
0.5W+0.5W
0.55W+0.55W
ダンピングファクター
1.6
2.6
入力感度(出力0.5W)
0.8V
1.26V
NFB
無帰還
4db
消費電力
23W
回路構成 2段直結差動式プッシュプル
重量
約4Kg
サイズ
220(横)X160(奥)x110mm(高さ)
RCAから1942年に誕生した3A5です。初段に1本、出力段に3本の計8本使用した。 ヒーター電圧が1.4V又は2.8V駆動させる小型電池管。 ヒーターは光らないので電球色LEDで下から照らします。
古典球(ビンテージ管)なので、将来無くなるMT管です。 買占めは困りますが、早めに10本位の入手をお勧めします。
後ろ面です。 コネクター関係の部品がズラリと並びます。 ケースは市販品を加工して使いました。 電源トランスと出力トランスは可能な限り離し、一直線上に配置します。 電源トランスの磁界方向があるので向きにも注意が必要です。
内部の写真です。 ほとんど隙間が無い様に見えますが、回路はシンプルそのものです。 私はラグ板は使わず空中配線が多いです。 深く考えず適当に作ったので自慢ではないですが、綺麗ではありません。
3Dプリンターでトランスケースをつくって見ました。 設計を含めて処女作となります。 データーの作る方法が全然違うので難儀です。 又、このケース1個作るのに8時間ほどかかります。 量産には向かないですが、自分の欲しい物が作れるのは凄い事です。 
電池管ハーフワッター(0・5W+α)の製作

電池管3A5は私のメインシステムのバッファーアンプで活躍しています。 この球は直熱管で音が良かったので、スピーカーを鳴らすパワーが取り出せないか考えてました。 ネットを調べてみると参考になる回路は有りませんでした。 パワーアンプの製作例が1台も無く、私の闘争心に火を点けました。 この真空管は増幅率15倍なので2段直結にすると入力トランスも不要で丁度良い感じはします。 真空管の仕様を見るとプラス電位でも使える代わりに、グリッド電流が流れる実は使い難い球で135V5mAが最大値です。 但し1ユニット0.5W迄、カソードが共通な双3極の直熱管です。 電流は出来るだけ多く流したいので5mAにすると、P−K間100Vにしなければなりません。 パワーを上げる為には球数を多く使いたいですが、球の故障が分かり難くなるのと、音質が下がったり発信したりする事があります。 DDコンの都合もあり最小システムで考えギリギリの3本並列で15mA、おっ、先が見えてきました。 球は前段に1本必要なので片チャンネル4本で計8本が必要最小限の組み合わせだと考えました。 A級動作なので音量を上げても電流は上がりません。 電源トランスのヒーター回路は1つしか無いので絶縁タイプのDC−DCコンバーターを探した所3.3V400mAの物が見つかりました。 3A5のヒーターは並列接続も出来るので前段は1本1.4V0.22Aとし出力段は3本並列にして2.8V0.33Aで使います。 必要な電圧になる様に抵抗で合わせてハムバランサーは省略します。 DC-DCコンバーターはネットで1個500円でした。 ヒーター電源はそれぞれ独立させて使う為に計4個必要です。 入力電圧は4.5〜9Vの範囲で使え、キャラメル位の大きさなのでコンパクトです。 このDDコンは効率が70%と低いですが、それでも全部で5.2Wの消費ですので6.3V1.5Aのヒーター電源には余裕があります。 特注電源で各4回路に分けても良いのですが、整流器や電解コンデンサ、ハムバランサー等の部品点数が多いので今回の様な小型アンプには不向きだと思います。 さて、B電源は150V出力なので整流して約190Vと2段直結には低い電圧ですが、3A5真空管には良さそうです。 トランス類は春日無線で入手できます。 OPTは手持ち品をzp10kΩとして流用しましたが更に大きな値が必要です。 歪改善とパワーも上がると思います。
 さて、後段のグリッド電圧と前段のプレート電圧は直結の同電位なので、後段のプレートに掛る電圧が190Vとなると、前段に流す電流で出力段の電力を見ながら調整ができます。 少し多めの電流はグリッドに電流が流れるのを考慮すると、かえって都合が良いです。 結果的に1mAのCRD定電流素子を4本並列に使いました。 グリッドとカソード間の電圧が約3V。 完成後OPTの赤、灰色間の電圧が0Vに成る様に調整します。 OPTの赤側の抵抗値は15Ω程合っていませんが抵抗での補正はしていません。 これは低域の特性が若干悪化したので辞めました。 真空管はサムテックの真空管ビンテージから予備を含めて10本購入しました。 半固定を中間位置にして調整で0.6V以内に入っていました。 VR2を回し、ここを0Vに合わせれば完成です。 テスターで簡単に合わせられますが、此処を調整しないと歪率特性が良くなりません。 勿論、聴いて耳で解るものでも無いので気持ちの問題ですが・・・。 3A5はマイクロホニック雑音が多い球ですが実際に使ってみると気に成る程でもありません。 指でコンコンと叩くと分かる程度です。 色々な制約があり、結構苦労しました。

注意事項
●DC−DCコンバーターは3.3V0.33A以上の絶縁タイプが4個必要です
●3A5真空管はヒーターの光が見えないのでソケット下部にLEDを付けました
●DC-DCコンバーターは2mV位の高周波ノイズが有りますが、無視できます
●真空管ヒーターは電圧調整の為に全ての真空管をセットする必要が有ります

音質と評価

下の図面を見ると解りますがアンプ回路はシンプルそのもので部品点数の少ないのが特徴です。 差動プッシュプル回路は昔から有るので珍しい事は有りませが、球の組合せや部品の定数を変えてその球の特徴を探す感じです。 電源を投入すると直ぐに音が出ます。 そして、音の良いアンプは聴き始めて5秒程で違いを感じます。 多分、古典球で著名な直熱管に勝負できるレベルです。  全段直熱管特有の素晴らしさと直結回路、更に古典球の味も入っています。 随分良い音だな〜と思いよく見るとニッケルプレートの様なのでウエスタンの205D系、あるいはシーメンスのBaやCaに近いかも・・・なんて思うとお得感有りませんか? 音の抜けが良く、どこまでも透明な感じが凄いです。 更に驚いたのは朝から晩まで使用していても真空管は触る事が出来る位の温度にしか上がらな事で連続使用も問題ありません。 久しぶりの「目からウロコ・・・!」ってやつです。 MT管の域を超えてる感じ、やはり全直熱管と言う事が鬼に金棒なんです。 とにかく、何か凄いんです。

今更なんですが、B電源があと10V位足りませんでした。 前段プレートはもう少し高い方が歪率が良く成るのを確認しました。
無帰還
NFB=4db

歪特性を見ると3本の線が重なってプッシュプル回路の素晴らしさが再認識されます。 最大出力あたりの逆カーブは気に入りませんが、なんか頑張ってる感じが伝わってきます。 とにかく制約が多い中での私の見つけた最良値です。 最初は無帰還構想でしたが、真空管内部抵抗が高いのでダンピングファクタが1.6となり2を切ってしまいました。 2wayスピーカーで音を確認してみるとドンシャリでフルレンジ・スピーカーには合いそうですがNFBを4dbだけ掛け何とか2.6を得ています。 NFB悪を語っている場合では有りません。ダンピングの効かないアンプは全然良い音がしないので今回はNFBに助けられました。 回路図中のR4とR12の抵抗2本でこの真空管の規格ギリギリ迄使っています。 今回この2本の抵抗でいろいろ変更しながら確認しました。 ま〜実験ノートは有りませんけど・・・ トランス類の都合も有り5%歪で0.5WでMax0.8Wです。
 直結回路は全てが順調に働いてバランスを保っているので具合が悪く成ると直ぐに音で判ります。 おや? と思った時は早めに健康診断してあげて下さい。 小さなアンプですが、ヤッテくれました。 長い付き合いに成ると思います! 

 このハーフワッターppヘッドホン・アンプ(回路)でも威力を発揮します。

此処で紹介した真空管はサムテックから購入しました


魅力ある真空管とアンプ・ラジオ
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