全段差動プッシュプル・パワーアンプ

4W+4W 2017' 1

ECC85.4P1L Push-Pull Amplifie

ECC85・4P1S(4P1L)真空管アンプ

4P1Lは2作目に成ります。 シャーシーサイズは同じですが、背丈が低く成り小型化しています。 基本的な所は1作目と大きく変わって居ませんが、歪率改善を行いました。 シンプル2段作動式は同じで高価な入力トランスも整流管も省略して少し簡易化です。 此処に登場する親分はGT管の小柄な5極管ですが直熱管と言う事で期待が大きいので、もう少し性能を詰めて普段使い用にしたいと考えました。 B電源の電圧を概ね同等で動作させてあるので、回路変更は簡単に済ませました。 ダンピングファクター4を目標に前段の球はECC85を選びNFBを6db掛けました。 この親分、体格からは想像できない位やってくれます。

参考諸特性

周波数特性

4hz〜133khz(−3.0db)

最大出力 4W(1khz5%歪)片チャンネル
入力感度 1.95V時4.0W
負帰還 ≒6db
残留ノイズ 0.26mV(VR最小時)
ダンピングファクター 5.3(on/off法)
サイズ 300(横)X190(奥)x130mm(高さ)
消費電力 54W

今回初段に選んだ球は松下製6AQ8/ECC85です。 此処では旧ソ連6N1Pが交換出来ます。 他にも多く代替え品がありますが、試してません。

出力管です。 旧ソ連(現ロシア)の4P1Lです。 中国に4P1Sと言う同等品が有ります。 中国産とは言え1960年代に作られた物の様なので、古典球に成るので音は期待できます! 3結でμが8あります。
小型なアンプですが、本格的なアンプと言えます。 まー4Wですけど・・・。 出力トランスは春日無線KA−8−54P2を選びました。 最近のOPTは小型ですな! バランスが合わないので、別途ケースにいれないと、格好が悪い!
内部配線は最近凝っています。 電源関係はウエスタンエレクトリックの太線。 信号線は同じくウエスタンのエナメル・シルク単線で音質には拘った配線。 アース母体関係は銅の単線で配線です。 OPTの線材は交換してません。
設計と制作

旧ソ連4P1Lは軍事用として作られた球で、設計の目的は軍事用と思われます。 あのミグ戦闘機にも使われたと聞きます。 此処では穏やかにオーディオ用途で使いますので3極管接続で使います。 OPTは春日無線に変更してNFB無しでダンピングファクターが2.0になりました。 今回小型8cm自作スピーカーを使うのを考えてダンピングファクターを4以上、出力は無歪2Wを目標にしてECC85を選びました。 ソ連系6N1Pも使えますが増幅率を考えるとNFBの820Ωを外して無帰還アンプがお勧めです。 良い音が出るのを確認しました。 ただし、定電流素子3.6mA迄は電流が流れなかったので、本来はプレート電圧を上げるか電流を上げる方が良いと思います。 今回は電源トランスの関係で片側50mA迄、4P1Lは2本で46.3mA、6AQ8は1.8mAの48.1mAが実際の稼働電流です。 ピングファクタ−の設定は使用するスピーカーに関係します。 私は通常2.0を目標にしていますが、スピーカーによっては4.0位欲しい場合が有り、今回の使用目的はスピーカーに合わせる為に若干大き目に設定しました。 この回路では820Ωになっていますが、この抵抗が増幅率を変えたり、ダンピングファクターを変えたりできます。 たとえば増幅率が足りない時は抵抗値を1.5kΩとか適当に大きくしたり、外したりすると大きな違いが出てきます。 この辺は適当に決めていく部分です。 ところで、この差動式回路はご存じでしょうか? 回路の左側を見て不思議だと思う所が、此れで何故プッシュプルの下側の信号が作れるのか? 上側の素子に信号が入って、何故、下側に逆波形がでるのでしょうか? 簡単何です。 カソード側が共通に成って電流制限しているのがミソ。 無信号時に安定して2個の素子に一定の電流が流れている所に、片側に信号が入ると、反対側は逆の信号が出てくる仕組みがあります。此れが出力段も同じで、2段共に同じ動作するので確実性が上がります。 そして、カソード側に電解コンデンサーが無いのも大きな特徴です。

回路図
ECC85・4P1Lppパワー・アンプ回路図(PDF)
ヒーターのセンターをカソードとしているので、ハムバランサーは不要となり直熱管なのに全くハムが出ません。 又、OPTのアンバランス調整は電流が低い為省略しました。 注意点は電源のFETをシャーシーへ直接放熱させる事でしょうか! 定電流素子にEFTを使ってあります。 3.6mA±0.1mAの選別品が必要です。 CRDでも良いですが電位差6V必要で、ちなみに此処のEFTは最低でも4Vが必要なので、ギリギリOKです。 面倒なマイナス電源が必要なのは此のためです。 
周波数特性表
周波数特性です。 NFBは6db。 周波数特性はほぼフラットですし、これ以上何も望む事がありません。 
歪率特性表
旧ソ連の4P1Lは前回5本の内2本が不良だった為、中国産4P1Sを使っています。 この4本は性能のバラつきも無く良く揃っています。 出力0.06W時は1桁低い0.01%を下回っていますね! 滅多に無い事です。 音質は球やOPTによる物が大きいので、性能が良く成っても大きな違いが無いのが残念ですが、通常使う0.5W位の所で0.1%歪も嬉し限りです。 可也気持ちよく使えますね!
やっぱり直熱管だわ!

5極管4P1Lを使うに当たり、最初から無帰還アンプは無理だと思っていましたが、今回のOPTを使うと2.0になるので、無帰還アンプでも好みで使い分け出来ます。 NFB抵抗を外すだけですから・・・。 やはりこのアンプは音も特性も抜きに出ている気がします。 高級アンプの仲間入りです。

魅力ある真空管とアンプ・ラジオ最新の確認