全段差動式プッシュプル・小出力パワーアンプ

無帰還 2.4W+2.4W 2016'12

6N1P,6E6,6CA4 MINI WATT Push-Pull Amplifie

6N1P(6Н1П)・6E6・6CA4 真空管アンプ

数が少ないので流通は無いに等しい6E6古典球の紹介です。 純3極管が2回路入った珍しい球です。 チョット調べてみると製作例が見つかりません。 これは面白そうです。 と、言う事で製作意欲が湧いてきました。 また今度も良い報告が出来ます。 下の歪特性を見ると雰囲気は判ると思いますが、なやり良い音で驚きました。 元々6E6は1.6W出せる球なのですが、カソードが共通なので一寸使い難いですね! しかし、そこがミソ。 回路を工夫すれば解決します。 せっかく1本に2回路入った球をパラにするもの勿体ないので、プッシュプルで行きます。 増幅率が6。 これは前段に選ぶ球の範囲が広く成りますので、μ=35位有れば何とか使えそうです。 球の規格では1.6W。 それ以上オマケみたいなものですが、2.4W位で5%歪です。 差動式回路なので純A級アンプ。 更に無帰還アンプで済んで音が良い訳です。 大きなオマケ分は真空管に負担が大きく成っている事ではないので安心してください。 そして一般的に使うとされる0.6Wで0.5%歪は十分な性能が出てきた感じです。 外見は一見シングルアンプのようですが、立派なプッシュプルアンプになりました。 しかも整流管もチャンと付いた本格的な音質を目指しました。

参考諸特性

周波数特性

10hz〜53.8khz(−1db)

最大出力 2.4W(1khz5%歪)
入力感度 1.82V時1.6W
負帰還 無し
残留ノイズ 0.13mV
ダンピングファクター 1.72
サイズ 287(横)X190(奥)x140mm(高さ)
消費電力 56W
今回初段に選んだ球は旧ソ連6N1P。 箱のロケットマークは何?怪しい感じもしますが! 今回SRPP回路なので交換可能な球が沢山有ります。 ECC85、6AQ8、6DJ8、6922、7308、ECC88とかですね! 但し、ごそっと4本一気に変える必要が有ります。
出力管です。 色々なメーカーの物がありますが、これはシルバニア刻印。 1944年頃から作られました。 音を聴く前から良い噴気が漂っています。
今回のアンプは整流管とチョーク・コイルを付けた本格的なアンプです。 MT管ですが十分な能力が有ります。 写真はナショナル製。 使ったのはFHILCO・USAだったかな。
抵抗類もチョット凝った部品を・・・。 6E6のグリッド抵抗220kΩはドイツのVITROHMモールド抵抗です。 2cm程の大きめな抵抗ですが0.5Wなんです。 ワット数が小さいのに大きい抵抗は音が良いですよ!
前段の真空管が旧ソ連製という事で、カップリング・コンデンサーも合わせて旧ソ連製にしました。 軍事用と言う事で作りが凝っています。説明によりますと、純銅線、銀メッキケース、アルミ薄泊、ガラスによる完全密封との事。ジェンセン銅箔に負けない音造りができるとか何とか・・・。
電源関係はウエスタンエレクトリックの太線。 信号線は同じくウエスタンのエナメル・シルク単線で音質には拘った配線を行いました。
自慢じゃないですが配線は綺麗とは言えませが・・・。 アース関係の母線は銅単線で、グランドアースはRCA端子の片側1か所。 トランスに最初から付いている線は其のまま使ってあります。 ペーパーコンデンサーが大きいですが、部品点数は多くありません。 
音の良さそうなアンプを製作する場合、最近はなるべく16Ω端子も付けるようにしています。 何故か、後でアルテックA7で聴いてみたいからです。
設計と試作

実際には試作しないで突っ走ってしまいました。 問題は出力トランスのインピーダンスです。  真空管の資料から察してzp=10kΩ前後を想定していました。 手持ちの10kΩを付けてシャーシーに組んでしまいました。 インピーダンスが合ってないと低域の歪が多く成ってしまいます。 測定しないと解りにくいですが、此処では16kΩが最も良いようです。 8kΩを16kΩとして使います。 つまり、4Ω端子に8Ωのスピーカーを接続します。 回路はプッシュプル。 前段はSRPPとして、多種類の球にも交換可能とします。 安価で出回っている旧ソ連6N1Pと言うのを基本として考えます。 其のまま交換可能な球はECC85ですが、交換時はゴソっと4本一気に交換する必要が有ります。 今回少し凝ってOPTのバランス調整機能を付けましたが、電流が少ない事からOPTに及ぼす影響も少ないので取り外しました。 これで可也本格的なアンプとなります。 低域の歪や音質が最高の物になります! で、此れは結果的に此の仕上がりに成りました。 当初ECC85を使かい、OPTも他の物で作りました。 ダンピングファクターが1.0を切ってしまいチョットNFBを掛けたりしました。 結局OPTの変更をして無帰還でもダンピングファクタは1.72迄上がりました。 プッシュプル・アンプなので此れだけ有れば十分です! 増幅率がギリギリですが歪の少ない旧ソ連6N1Pで行くことにしました。

定電流素子にFETを使用しています。 この素子は個体差が有るので測定済の揃った部品が必要です。 ±0.4V位の誤差範囲で使用できます。 同等の定電流素子CRDで代替え可能です。
周波数特性表
周波数特性です。 10hz〜58khzで−1dbです。 春日無線のKA−8−54P2のOPT時です。 zp=16kΩとして使っています。
歪率特性表
歪率特性です。 ミニワッターの延長で作っていましたが、2Wを超えて出力が出るとランクが変わりますね。 一端のメイン・アンプとして比較されてしまいます。 でも、安心して下さい。 2段シンプル構造で増幅率が低めなのでギリギリですが、無帰還アンプの純3極管の魅力が出て来ました。 最近のCDプレーヤーやRCA出力は2V位の出力が出るので問題有りませんが、入力2.0v時に約2Wと成ります。 入力感度が足りない時は前段をECC85にすると解決します。 私はへそ曲がりです。 聴いた事の無い球を使って新しい刺激を常に求めながら音楽を聴くのが好きなので、あえて旧ソ連の6N1Pを前段に使い、古典球6E6をドライブさせました。 整流管も入れました。 これも好みの問題ですが、FETフィルターとチョークコイルのB電源の音質差、拘りです。 中国球、ロシア球、古典球どちらが良いか? 古典球を除けば私の印象は同じですが、安いものでソコソコな物が有り、十分に楽しめます。 好きな銘柄に拘るのも大いに結構! 好きな部品を使ってこそ、趣味の醍醐味で良い音が出るってものです。 まーそれより信号の通る場所の抵抗とコンデンサーは重要ですから良い物を使うのが一番です。 此処でも旧ソ連ペーパーコンデンサー、ウェスタンエレクトリックの10μFコンデンサー、巻線抵抗、ドイツのビットローム抵抗。 配線は全てウエスタンエレクトリックのビンテージケーブルと凝ってみました。
良い音出します

肝心の音ですが・・。 絶品ですよ、これは!
純3極管無の帰還アンプで得られる音です。
6E6は入手難ですが、持っておられる方は、是非お試しを!

大きさも手ごろです。

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