1.0W+1.0W 2017' 2
MT9P 6H30Pi Amplifie
6H30Pi 濃密な1W・イチワッターの製作

此処にデビューする真空管は6H30Piと言うロシア産のMT管です。 小型アンプの製作例が無いみたいなので面白い結果が出せれば嬉しいのですが! あまり馴染みの無いと思いますが海外の高級プリアンプ等に使われているので気になっていた球です。 ヒーターが6.3V0.9Aと大きいですが、P損失が片ユニット7W(10W)と優れています。 実際、7Wとなると出力は1.8W出せましたが発熱がヤバいです。 今回、電源トランスに合わせて電流は控えて使いました。 試作時に良い性能がでたので、直結回路に移行していませんが、現状ではB電源の電圧が足りなかったのでオーソドックスにCR接続で進めています。 結合コンデンサーはウエスタンエレクトリックのOEMらしいですが、AZ−CAPの0.22μのペーパーコンデンサーを使いました。 特筆出来る事は歪が低い事です。 電源トランスと出力トランスは簡単に入手できる物です。 OPTの4Ω端子に8Ωのスピーカーを繋げてzpを14kΩとして裏ワザを使っています。 此処での利点はダンピングファクターを多目に稼ぐ事が出来るのが良いです。 本当は10kΩ位が良いのかも知れませんが試してません。 歪率表を見ると100hz帯が良くない様に見えますが、1W出力時でも2%を切っています。 私の過去のミニワッターで最大値辺りの0.7Wで歪率1%を割り込んだ物は有りませんでした。 つまり、今までの中で一番成績の良いミニワッター。 1ワット達成できたのでイチワッターとしました。 

参考諸特性

周波数特性

8hz〜55.2khz(−3db)

最大出力 1.0W(100hz2%歪)片チャンネル
入力感度 1.6V時1.0W
負帰還 4.4db
ダンピングファクター 6.2
残留ノイズ 0.16mV(ヴリューム最小補正無)
消費電力 27W
サイズ 幅19cm x 高さ11cm x 奥行12cm位
ニューヨーク・エレクトロハーモニクス6H30Pi。 製造はロシアだと思います。 3極管が2回路入ったMT管で、6BM8と同じ位のサイズです。 このメーカーの製品は管理が優れているので、ハズレも無く高価なペア品は不要な位です。

今回は珍しくチャンと試作を行ない回路図を作ってから組み立てました。 出力と歪率の良い所にしますが、それでも最終的にB電源の電圧が予定とは多少変わるので、変更が出てきます。

直結回路が良い点はコンデンサーに気を使わないで済むからです。 今回は電源トランスの電圧が足りないのでコンデンサー結合としました。 音の良いビンテージ・ペーパーコンデンサーをいれました。 あのウエスタンエレクトリックのOEM生産されたらしいAZ−CAPの0.22μFです。 

東栄のOPTを使いました。 T1200は端子が上側に有るので、今回ケースを外して、上下を反対に入れてシャーシーに固定しました。触る可能性の有る高電圧側は内側に向けてあります。
幅は手のひらより小さなサイズです。 コンデンサー類が大きく見えますが、全体が小さいので、そう見えます。 配線はウエスタンエレクトリックのビンテージケーブル。アース関係母線は1mm位の銅単線を使用しています。
設計と制作

6H30Piと言う真空管は資料は僅かですがありました。 Ep-Ip特性を眺めてみると直線性が可也良いです。 最大プレート損失が7W。1ユニットの場合は10Wも有ります。 確かにヒーター電力がデカいです。 試作では7W迄上げて1.8Wも出て喜んでいましたが発熱が大き過ぎて1時間も使えません。 此処では電源トランスの容量に合わせ必要がある為、4.5Wで使用する事に成ります。PT(出力トランス)のB電源の電流が80mAなので大体1.6で割った50mAがDCにした場合の使える電流となるはず! B電源の放電用に1mAなので片チャンネル24.5mAがMAXです。 一応、直結アンプを目標に初段のプレート電圧を成るべく低く抑えて作って行きました。 しかし、このPTでは直結回路に移行できませんでした。 元々が小さな出力のアンプなので、パワーを下げて迄直結に拘る必要性が有りません。 結合コンデンサーに良い物を使う事で、この点は補う事が出来ます。 言い方によっては、此処で魅力的な音を作り出す事ができる部分です。 前段側の電流を多く流しプレート電圧を下げています。 資料によると5mA位流した方が歪が少ない感じですが、出力段とのバランスを取りました。 プレート電圧は約33Vと低いですが負荷を10kΩと小さくして多目の3.4mAの電流を流す事で出力段をシッカリとドライブできる様にします。

6.3V0.9A。 どうでしょう此の綺麗な直線特性。 5mA以上流せばどこの電圧でも良さそうな感じがします。P損失7W、片CH最大10W。 普通は4Wx2程度で使う物です。 今回前段0.1W、出力段4.5Wの合計4.6Wで使用します。
回路図
6H30Pi イチワッター回路図(PDF)
回路に特別な物は有りませんが、定数を変更する事で様々な球に対応できるので6N6Pも作ってみたくなります。 此処で使った抵抗は1%誤差の物を使いました。 図中にFETが有りますが、この部分で20V有るんで1W以上の熱が出ます。 必ずシャーシに取り付け放熱が必要です。
周波数特性表
重低音域が少し持ち上がっています。 前段のカソードコンデンサーが470μFでは大き過ぎたかな? 此処を47μfか100μfに替えると改善すると思います。 でも許容範囲なので私は此のままで行きます。 このT1200の出力トランスはコスパが優れています。 高域特性の延びが欲しい感じもしますが−1dbで31.5khzなので十分ではないでしょうか。
歪率特性表
歪率表の3本の線が重なってくれません。 と言っても決して悪い事は有りません。 私が過去製作した他のMT管小型アンプと比べれば其の違いは桁違いに良くなっています!
ミニワッターからイチワッターへ

特性を気にしながら作って行ったので、私の過去のMT管小型アンプの中では素晴らしい特性と音質になって生まれ変わったと思います。 ただし、此の真空管は現在随分高価に成っています。 でも、此の性能が有れば文句なしです。 今回はOPTの4Ω端子に8Ωスピーカーを接続していますが、8Ω端子に8Ωのスピーカーを接続しzp=7kΩで使っても、性能が変わりますが出力は1.4W(1khz5%歪)に上がります。 音質も随分変わるので、お好みで聴き分けたら面白いと思います。 もう一つ朗報! 旧ソ連製で6N6Pと言う真空管が有りますが、そのまま交換しても使えました。 プレート電流が減るので出力は0.8Wに下がります。 6N6Pシングルアンプの試作を簡単に済ませました。 スピーカーは8Ω端子側。 。

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