6L6GC シングル・真空管アンプ
12AX7、6L6GC Single Amplifie

製作ガイド実態配線図

サムテックより組立キットが購入できます。
 

 
作って楽しく、そして音楽性の高い真空管アンプを作ってみませんか? 部品の調達には苦労しますが、今回ここに紹介するアンプは全てのパーツがキットとなって下記紹介するサムテックより3種類のアンプが発売される事になりました。 ここでは其の中の1台6L6GCアンプの紹介をします。
3極管の12AX7を並列接続で使い出力管の6L6GCを力強くドライブします。6L6GCはパワーがあり音も良いのでギターアンプ等にも人気のある真空管で4極のビーム管です。 サムテックより製作依頼が有りパーツ一式が届きました。 驚いたのが豪華なトランス類で、作る前から良い音がする予感がしました。 ケース内にはシリコンを充填し真空引きで空気を抜いてから固めてあるそうで全て特注みたいです。 試作なのでケースは加工して使います。 シャーシー上面は2mmのアルミ製なので手持ちの工具で穴あけから始めます。 誰が製作しても同じ特性が出るようにCR結合で調整箇所が無い一般的な回路としました。 5極ビーム管なのでパワーが望めますが、製作を楽しんだ後でも長く使って頂けるようにと考え此処では3結として、NFBも一寸だけにして高音質を心掛けてみました。 多極管は3結接続すると1/4から1/2に成ってしまう欠点が有りますが、実験の結果音質はやはり最優先としました。
性能表
最大出力 
歪率  
周波数特性
ダンピングファクタ
回路の方式
残留ノイズ
2.5W+2,5W(5%歪時)最大3WX2(10%歪)
2%(1W時)
16hz 〜 31・5Khz(−1db)
3.2
コンデンサ結合
3mV以下(ボリユーム最少位置)
前段には入手が簡単で増幅率が100の12AX7を選びましたが12AT75751も無改造で使えます。双3極管で2回路入ったMT管で6.3Vで使用します。NFBを取ってしまえば12AU7なんかも良いと思います。
此処に使った6L6GCは中国で生産された物ですが、予想を超えた良い音が飛び出して来ました。 写真では分かりにくいですが窪みがあり形も中々良いです。

試作で製作した1号機です。シャーシーはヤフオクの「真空管アンプ用シャーシケース」です。 穴あけ加工は自分で作りました。

シングル8Wのユニバーサルタイプの出力トランスですがシリコンで充填され真空引きされ固められているとの事です。 6W,8W,12Wとチョークコイルが何種類か発売されました。
サムテックのトランスはこちらから購入可能

今回は端子台を自作しました。 ベーク板を加工し金具を差し込み、+ドライバーの先でつぶす手順です。 24ピンあり、此れに部品を付け仕上げていきます。 キットには加工済みの物が付属します。
後ろから見た写真です。 下記、実態配線図を用意しましたので参考にして下さい。 
開発支援装置と呼べるでしょうか?。こんなものを作って使っています。 初段のプレート抵抗や+B2電源、カソード抵抗、NFBを決めるアイテムで必要な電流と電圧をアナログメーターで見て更に音質も確認して最後の詰めを行います。 其々抵抗を2段階に分け真空管ソケットに直接クリップで接続します。内部は24接点スイッチに抵抗を付けた物。真空管資料を参考に動作させますが、測定器である程度の性能を見た後、自分の感覚を頼りに音が一番生々しく聞こえる位置を探します。 基本が音質重視なのでこの様なアイテムが重宝しています。 実は最良位置は意外と広く、多少の変化で性能が飛躍的に上がる事はありません。 逆に言うと、真空管を規格内で使用するのは当然な事でしょうが、適当に作ったアンプでも想像以上に良く仕上がっていると言う事です。現在は出力管のカソード用可変抵抗も製作しています。 これが完成すると電源部を作り真空管をセットして、必要な部分にクリップで線を繋ぎ、スイッチを入れると簡単にアンプの試作が出来るようになります。 抵抗を付け替える必要がないのですから早い訳です。 内部のコンデンサ類はトグルスイッチで切り離し抵抗値を測れば図面に書入れて完成です

当初、初段管を12AT7で設計しましたが聴き比べで12AX7に落ち着きました。 OPTはサムテックオリジナルの8W用シングルOPTです。 構想が決まって、シャーシを作り、大きめの部品を取付けた後、真空管に流す電流を決めて最後に回路図の様な物に仕上げました。 整流管は有りませんが、贅沢にチョーク・コイルが付いてます。 出力段は3結として音質重視にしました。 NFBは約3dbと少な目、今回はキット化されると言うことなので下記実態配線図を作りました。 実は、この図面製作の方が苦労したので参考にして下さい。 キットを購入したり追試される場合は線材の付け方は図面と全く同じに配線してください。 線は短い方が良いと思いますが、取出し位置を変えてしまうとハム・ノイズ等に悩む結果となる場合が有ります。 アース線は1.6ΦのVA線をシャーシー内に1本通してして中心の1箇所をアルミ・ケースに接続してあります。 パワーが欲しい場合は出力管の4番ピンの接続方法で変ります。 今回はプレートに直結しているので3極管接続ですが、この線を+Bの電源に直接すると5極管接続となりパワーが約2倍に成ります。 また、出力トランスの1次側中間位置に接続すればUL接続となり、3極管と5極管の中間の音質になると言われています。 一般的なSG端子は巻腺の中間当たりに有りますが此処では80%位に成るので、より3極管に近いUL接続と成ります。 このように3つの接続方法があるので其々の音質を聞き比べてみると面白いと思います。

音質と評価
構想が決まり、レイアウトが決まると配線は早いです。 約3dbと軽めのNFBなので諸特性は優秀とは決して言えませんが16hz〜31・5Khzが−1db以内に有るので十分な値でしょう。 驚いたのは6L6GCの3結の音質です。 今まで古典球特有と思っていたような音が此のアンプには有るように思います。 回路はまったく普通なのに不思議と直熱管の様な透明感が出ています。 出力トランスが優秀で低域が良く出ます。 高域の透明感は多層巻きされたコイルの恩恵でしょう。 回路とのバランスが合っているのでしょうかね! NFBで音が随分変わります。 強くすると生々しさが消えて行き、弱くするとダンピングが無くなり物足りなさを感じます・・・。 てな訳で、ここが私の決めた値でアンプが活き活きと鳴ります。

 
サムテックより組立キットが購入できます。

ここに紹介したアンプはサムテックから依頼があり作った物なので、組立キットとして発売されます。 調整箇所が無いのでメーター類が無くなりますが入力セレクターが追加されるようです。 初段回路は真空管を並列で使ってますので、SRPP回路等皆さんの手で更に良い物に仕上げられると思います。 是非、より良い音に仕上げて下さい。

12AX7,6L6GC シングル真空管アンプ実態配線図
12AX7,6L6GC シングル真空管アンプ部品リスト
周波数特性
歪率特性
入出力特性
部品リスト
番号 回路図 名称 その他 数量
1 アンプ部 R1 1.2kΩ(2W) 2
2 R2 200Ω(2W) 2
3 R3 5.1KΩ(2W) 2
4 R4 100kΩ(2W) 2
5 R5 47KΩ(2W) 2
6 R6 270KΩ(2W) 2
7 R7 340Ω(4W) 680Ω2W 2個並列 4
8 R10 100Ω(2W) 2
9 C1 1000P 2
10 C2 0.33μ630V 2
11 C3〜C4 470μ25V 4
12 C5〜C6 100μF450V 4
13 TUB1 真空管ソケット 2
14 真空管(12AX7) MT管9ピン 2
15 TUB2 真空管ソケット 2
16 真空管(6L6GC) GT管8ピン 2
17 SW2 切替スイッチ 1
18 CN1 RCAコネクター 赤、白各2個 4
19 CN2 スピーカー端子 赤2個、黒2個 4
20 VR ボリューム 50K〜100KΩ/2連 1
21 つまみ 1
22 OPT1 出力トランス ST−U8S 2
23 電源部 R8 470KΩ(2W1%) 1
24 R9 100Ω(5W1%) 1
25 R10 0.22Ω(5W) R22J(6W)巻線 1
26 C7〜C8 100μF450V 2
27 SW1 電源スイッチ (3A迄) 1
28 F2A ヒューズホルダー 1
29 2Aヒューズ +予備1個 2
30 D1 ブリッジダイオード 1
31 D2 1N4007 1000v1A相当 1
32 CN3 電源用コネクター 2ピン 1
33 電源ケーブル 1
34 24PINラグ端子 1
36 アース端子 1
37 PT1 電源トランス 1
38 CH1 チョークコイル シリコン真空処理 1
39 PL1 パイロット・ランプ DC6V用 1
40 シャーシ シャーシー一式 1
41 化粧足 4
42 ネジ類一式 M3φ8mm 皿ネジ ソケット、シャーシ固定 15
43 M3φ8mm 3点セムス トランス固定 12
44 3mm ナット ソケット固定 10
45 M4φ8mm 2点セムス 4
46 10mmスタット プラスチック 2
47 10mmスタット 金属製 1
48 線材一式 1.6φ銅線 1
49 黒色 1
50 青色 1
51 灰色 1
52 橙色 1
53 赤色 1
現在、12AX7に似た球で5751が有ったので交換してみました。 今まで初段の球を幾つも交換して聞いた事が少なかったので、音質の違いが結構あるものだと実感します。 いつも12AX7では面白くないな! と思い12AT7で設計を始めましたが、何気なく12AX7に差し替えてみると やはり12AX7の方が聴きやすい音質でした。 この辺は好みがあると思うので好きな球を選ぶのも面白いと思います。
SRPPのパワーアップバージョンを作りました。参考はこちらです。
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