300Bロフチン・ホワイト・フローティングppアンプ
マジックアイ・レベルメータ付き真空管アンプ

シングル・アンプ/プッシュプル・フローティングアンプが切替え可能

6SL7,300B,5U4G,EM80 Loftin・White-PP Amplifier
2006'8
真空管300Bがサムテックに有ります

初段の球、6SL7です。 いろいろなメーカー製が今でも簡単に入手出来ます。 その他に高信頼管で5691も有ります。 今回私はヒータの明かりが漏れるのが好きでGE製6SL7を使うことにしました。

すっかり有名になったWE−300Bです。 ウエスタンエレクトリックの60年代物4本を使いました。 試作は中国製を使っていましたが、最終的に辿り着くと弧の様な結果に成ります。 思いっきり贅沢ですけど・・・。
整流管には5U4Gを使います。特に理由は有りませんが、手元に沢山あるので使いました。油断して管を磨いたら印刷が消えてしまった・・・。泣き泣き。
真空管ラジオで有名なマジックアイのEM80です。元々マジックアイは寿命が数百時間と短いので、電圧を規格ギリギリの電圧165Vでドライブしています。 上の写真ではフラッシュが利いているので分かりにくいですが、昼間の明るい部屋でも綺麗に光っています。

今回信号の位相反転はグリッド・チョーク・トランス。 Ni80%パーマロイを使いました。 

フローティングアンプ用のCH(15H70mA)、OPT3.5K:8,16(30Wクラス)のランス類はタイムトラベルに特注依頼して作って頂きました。 同等品なら安いし、同価格なら1ランク上の物が購入できます。

直接音に関係する信号が通う抵抗は多くないので、その部分には出来る限り音の良い抵抗を使います。 
マジックアイです。程よく綺麗に輝く緑色の光。音楽に合わせて光が踊ります。特に調整も無く、回路も簡単なので今後も使えそうです。
実は今回の目玉はここにあります。2本のマジックアイの間にあるスイッチ。 これはシングル・アンプとプッシュプルアンプの切り替えが瞬時に出来るもの。 音の聞き比べをするのに役に立つ。当然回路はA級動作。
完成後の後ろ面です。 最近製作するケースは全て1枚シャーシ板と木材で製作しています。 その為に部品は全て上面に付いています。
上部からの写真です。 実際のOPTトランスに比べて少し大きいケースになっている。 WE社のOPTを参考に自作した物です。

6SL7・300B フローティングOPT・ppアンプ回路図

残留ノイズ : 0.3mV
最大出力 : 18W(片ch)
歪率 : 0.36%(1W時)
周波数特性 : 10Hz〜70KHz(−3db)
総重量 : 約18kg
寸法 : 460(W)x360(D)x210(H)mm
 

設計思想
またまた300Bの登場です。使用した真空管は入手が簡単な物で部品も購入可能な物ばかりです。 偶然2A3と300Bの球が5組づつ入手したのが製作のきっかけです。本当は2A3に、ほぼ決定していましたが、シングルプレートの300Bを見ていたら「良い音した時にはWEに変えよう・・・」と思いこちらの球を選びました。
300Bロフチン・ホワイト式アンプは既に一度製作しているのでチョッと回路に手を加えてプッシュプル・アンプなんだけれどシングルにもなるアンプにしました。つまり、300Bロフチン・ホワイトアンプを4組作ってプッシュプルにする方法です。当然A級動作なので一般のプッシュプル回路(B級)に比べて出力は小さく成るかも知れません。反転回路はトランスを使うことによって簡単に信号が作れます。INTトランスの2次側を使うのも良いと思いますが、サウンド・パーツに更に安くて良い物が売っていますので、それを使います。 シングルとプッシュプルを切り替えて使う場合はOPTが困ってしまいますね?。 ここでは氏家さんが第一人者と思いますが氏が発表したフローティングアンプを参考にOPTにはシングル用を使って解決出来ます。以前からフローティングアンプの利点は知っていましたが試す時がヤット来ました・・・。
シャーシ設計の段階で部品の割りにケースが大きい事に気がつきました。 今度プリ・アンプの製作の時に使う予定だったマジックアイのレベルメータです。 今回は「受け狙い」のつもりで一緒に組み込んでしまいました。

今回の失敗談 
最終的には素晴らしいアンプに仕上がりましたが、一発で何もかもが成功した訳ではありません。 以前からロフティン・ホワイト回路の唯一の欠点は出力管カソードの抵抗の発熱でした。 そこで、今回はカソードに必要な電圧を別に作って供給させる
。 と、言う考えでした。 ところが、実際は、低い方の電圧がドンドンと上がってきます。電気は高い方から低い方へ流れる・・・でも落し穴があり駄目でした。 考え違いでした。 「低電圧回路を組まないと全然駄目だ」と言う事が分かりました。 上記の回路図は最終的に仕上がった内容の物です。

実際の設計
300BのB電圧が高めで、ロフチン・ホワイトはカソード電圧を高くしるのでAC400Vの端子があるトランスが必要になります。 当初、B電源は470Vで設計しましたが、実際には思っていたよりも低く426Vに成ってしまいました。 現物合わせで抵抗を交換して出来た最終的な回路を書いて置きますので何かの参考にして下さい。詳細については以前作った「300B ロフチンホワイト・シングルアンプ」が参考になります。EM80マジックアイ・レベルメータは簡単な回路です。カソードに対してグリッド(入力)にマイナス16V前後の信号が必要です。 一般に8Ω負荷3W程度で交流5V弱なので負出力の倍電圧回路で2倍の信号を作って入力します。少し動作感度を上げる為にカソード側に510Ωの抵抗を入れてあります。 感度が良すぎる場合には300Ω位でも良いでしょう。 103Pのセラコンは動作スピードを見て決めました。104Pも試しましたが感度が鈍くなります。 図面のままで製作すれば特に調整箇所は有りません。音楽に合わせて光が踊っていて癖に成りそうです。 今後、この様なアンプが月刊誌などに登場するかも知れません。 とにかく綺麗で楽しいッス!!
調整
調整箇所は特に有りませんが出力管300Bのヒーターは5Vに合うように抵抗を調整しました。 ハムバランサーは最初中央付近に合わせ無音状態で更にスピーカーのハム音が最小値に成る所に合わせてあります。

今までの300Bアンプを越えたか! 
概ね完成しましたので異常発信等が無いか確認した後、一晩のエージングを行い動作が安定しているのを確認して更に性能を測定した後にテスト用のスピーカーで音出しです。 CDを少し聴いた後にメインスピーカに換えて視聴です。 さて、このアンプの音はと言うと。 一言で言うと、「凄い!!」 です。中国製の300Bやプッシュプルアンプは初めてでは無いのですが、この球で、ここまで良い音で鳴るとは思いませんでした。 説明したようにシングル・アンプに瞬時に変えられるので、切り替えて聞くと、何時もの様に鳴っています。決して悪くは無いです。 ところがフローティングOPTに切り替えたと同時に音色が変化します。何とも言えない良い感じです。え〜、何かの間違え? と思いながら何度切替えても同じです。 A級動作のプッシュプル回路、フローティングOPT、ロフチンホワイト直結回路、NO−NFB、入力用グリッド・チョーク、悪い所が有りません。 プッシュプルアンプが余り好きでない人(私も)も多いと思うけれど、これを聴いたら考え方が変わります。 間違いなくフローティングOPTの勝利です。 測定の時に気がついたんですが、シングルに比べて、PPの方が少しだけ歪率特性が悪かったので心配していました。 位相反転の問題でしょう。 今回のアンプはグリッド・チューク、特注トランスも上記案内の様に購入できますので、入手難な部品が無く購入は比較的簡単だと思います。 特にOPT関係の特注トランスは同価格で1ランク上の物が買えるので、同等品を安く買うか? それとも同価格で1クラス上の物を買うか? です。  結局、結果は今の現状で既に従来の300Bアンプを越えちゃいました。 よく考えると、中国製300Bでも最新の技術で今の時代に製造するのですから、悪いはずがありませんが、最終的にWE300Bのオールドタイプ60年代物を4本使っています。 A級アンプのシングル用回路のプッシュプル・アンプで有りながら片CH18W(10%歪)位のパワーが有ります。 周波数特性も良く、10Hz〜70KHz(−3db)と真に優秀で、残留ノイズも0.3mVと優秀です。 欲を言うならばOPTをモット大きな物を選ぶ事によって20Hz付近の落込みが無くなると思います。 参考までに私は30WクラスのOPTトランスを使いました。 今回のアンプは私の部屋のタンノイ・オートグラフにベストマッチで、プッシュプル・アンプがこれほど良いと思った事は有りません。

注意事項 
ロフチン・ホワイト回路の場合、出力管のカソード抵抗が高温になるのは分かっていましたが、とにかく凄い熱です。 今回はメタル・クラッド(シャーシー等に直接固定が可能)1.5KΩ30Wの抵抗を選び使いましたが、可能な場合は3K30Wを2個並列が良いと思います。 シャーシやヒートシンク等の設計は十分に行う必要があります。 要は、この抵抗が2個あるので、この部品ノミで60W位の熱が出ます。 私は今回大きなトランスケースを製作したので、シャーシと此のケースで放熱対策を行っています。 尚且つ、専用のプリアンプが有り、パワーアンプの下面に冷却ファンの風が流れる様に成っていて、真夏でも問題ありません。
発熱対策で一般的な回路に変更しました。 
ロフチン・ホワイトの回路図がシンプルで私は好きなのですが、やはり出力管のカソード抵抗が相当に発熱します。 これでは夏の季節には安心して使えません。 そこで、普通のコンデンサ結合の回路に変更しました。 音質の違いはフローティングOPTの違いの方が大きいのか分かりませんが違いは分かりませんでした。 この変更により電源スイッチを切り忘れたり、長時間連続使用しても安心して使える真空管アンプに成りました。 もしも、自作真空管アンプを計画している方、または、作りたくなった勇士の方はコンデンサ結合回路で是非作って下さい。 上記説明の私と同等の部品で製作して全然違う物が出来るとは考えられません。 決して後悔しないと思います。 本当に素晴らしい音の世界が待っています。
コンデンサ結合フローティングOPT 回路図
特性表
世界の名球300Bを聞き比べる

 
注意

このアンプは400V前後で製作には危険を伴います。

製作する場合は自己の責任で感電に注意して下さい。

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