ミニワッター・パワーアップ版
7044プッシュプル真空管アンプ

作動式2段直結・無帰還
1.0W+1.0W

6189,7044 Push-Pull Amplifie 2014'4

私のミニワッター・シリーズに無帰還アンプが出来上がりました。 今まで制作したMT管ミニワッターはNFBを掛けたのが殆どでしたので、今回目指す事は無帰還のアンプで高音質を狙います。 

今回製作したアンプの諸特性です
 
NO-NFB
NFB=5.6db
周波数特性(−3db)
5hz〜85khz
4hz〜174khz
スピーカー出力(THD1KHZ5%)
1.0W+1,0W
残留ノイズ(入力オープン時)
0.5mV
0.12mV
入力感度(8Ω1.5W出力)
1.0V
2.0V
ダンピングファクター
1.0
2.0
サイズ 210(横)X145(奥)x110mm(高さ)
消費電力 43W
初段の球はGE製6189Wです。 お馴染みの12AU7の高信頼管で、カナダ軍向けに作られた物だとか、此処でアンプ用として登場です。 出力管には7044をつかいましたが、数量が少なくなってきている球です。
後ろ面です。 コネクター関係の部品がズラリと並びます。 ケースは5mmのアクリルをレーザーカット。 真空管のソケットはアルミ板をベースにボリュームが付きます。 これはノイズ対策の為で、残留ノイズを0.5mVを切る性能が出せています。
内部の写真です。 ほとんど隙間が無い様に見えますが、電解コンデンサーが手持ち品の為に大きな物を使いました。 現代品は一回り小型に成っていると思います。 実は回路はシンプルなのです。
設計と試作

小型のアンプを作る為に電源トランスは春日無線の特注電源シリーズの45W版を注文しました。 特注と言っても注文時に指定するだけなので、感覚は普通のトランスを買うのと同じです。詳細は「250v(120mA),12v(CT付き1.2A)」此れだけです。 これによって2段直結のプッシュプルアンプとしてパワーアップを狙いました。 OPTは同社のKA−5−54Pを選びました。
 製作にあたり、シャーシーの部品配列を検討した所、トランスの真横に写真の様な配列にした場合には誘導ハムが聞こえない事を確認しました。 トランスの磁界の関係で軸がずれると大きなハムがでるので配置には注意が必要です。 試作の予定で作ったので、ケースは5mmのアクリルを加工して作りました。初段は1mAのCRDを2本並列にして2mAとして使ってあります。 出力段の2kΩの抵抗は5W,EFTは放熱板が必要で、共に熱くなる部品です。 B電源は320V位に成り2段直結にしても2段目も十分な電圧が取れます。 7044真空管は本来パワー管では有りませんが、此処では規格一杯で使い、パワー管として活躍しています。 今回は調整箇所が1個あります。 出力管の1−9ピン間の電圧が0Vに成る様に調整します。 10KΩの半固定で±2V位の範囲ですが真空管のバラつきにより調整が出来ない場合も有るみたいです。 真空管は予備を含めて1〜2本は余分に準備をした方が無難です。 私は6189Wを1本交換して済みました。尚、この調整は出力トランスの磁化打消しのバランスを取る所なので重要です。特に低域の歪率に関係する所です。

注意1:真空管7044はソケットの回りに孔をあける等の放熱対策が必要です。
注意2:B電源が高すぎる場合はR5の抵抗(39kΩ)で調整します。

音質と評価

完成後通電して1時間程様子を見ました。 基本回路は6350ppなので大きな問題は無い筈です。 予想通りに2kΩとFETは熱く成りますが、此れは想定内なので問題は有りません。 各ポイントの電圧チェックはOKです。 先ずは音質チェック! 待てずに音楽を鳴らしてみました。 エージング無しでも結構良い音ですし、パワーも有りそう! と顔の筋肉が緩みます。 で、性能を計測してみました。 周波数特性は十分です。 歪率も高中低域の3本の線が共にほぼ重なってくれました。 又、定通りのパワーも有りそうです。 特性を見ると無帰還である事が信じらません。 ダンピングファクタは約1でした。 帰還を利用せずに十分な性能が出たときは基本的に入力信号に対して無加工の音です。 

周波数特性表(測定器は日本オーディオ製UA3S他)
無帰還
NFB=5.6db時

今回は無帰還アンプを基本としましたが、特性を上げたい場合は簡単に変更が出来ます。 初段の6189の7番ピンから360Ωの抵抗でスピーカーの8Ω端子に接続します。 これで約5.6dbのNFBが掛ります。 抵抗1本の追加で上記の右側の特性になり性能が一新されます。 音質は好みで決めると良いと思いますが、フルレンジ1発のスピーカーでしたら断然無帰還。 2WAY以上だとNEB利用も良いかも? 切替スイッチを追加して、ご自身で、その違いを確かめてみると面白いですよ! 随分雰囲気の変わった音の違いが解ると思います。

注意:NFBスイッチを切替る場合は音量が2倍に変化するのでボリュームを最小位置で行って下さい。

更に音質の良いMT管3A5で直熱管のアンプが出来ました
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