ドングリ管955、灯台管2C39シングル・アンプ
Eimac 2C39WA Single Amplifier
3極管・真空管アンプ 2003'11
最終的に前段に使った真空管はウエスタンエレクトリックのMT管で417Aに成りました。 小型のMT管ですが20mAも流せる立派な球です。 今回は約3mA流して使いました。

エーコン管またはエイコン管の955でドングリ管とも呼ばれています。短波帯から超短波帯、レーダー受信機部の高周波増幅等に使われました。6.3V0,15A,μ=25、180V4.4mA

ライトハウス(灯台管)の2C39で強制空冷が必要ですが、プレート損失が100Wのパワーがあります。オーディオの出力管として使えるかが問題ですが期待です。 規格 Ef=6.3V If=1.1A Ep=1000V プレート損失100W

2C39専用のソケットは有りませんが、銅板で帯を作りネジで固定しました。青がグリッド、赤がプレートになります。 下の細い部分がカソードとヒーターの片側で、更に中心部に6mm位の穴があり片方のヒーター線に成っています。 

今回のアンプも1枚のシャーシーに全部部品を付けて作ります。 シャーシーを取り付ける台を先に製作しました。 @400円の材木2本で作りました。 シャーシーのアルミ板は300X200X2mmが約1000円で、ニス約@300は水性の物、筆@100円をで重ね塗りして仕上げます。

シャーシーに部品を付けていきます。 全て手持ちの部品です。 トランス関係もアルミ板に載せてサイズの合う物を使いました。 この部品を使ったアンプを設計していきます。 何時もと違うのは強制空冷が必要なので整流管をやめてファンを付けます。

2C39送信管を止めるのにアルミのブロックを手加工して作りました。真空管の底はヒーターの片側ですが大きな穴があり小型のヒューズを入れて、写真の様に止めました。仕上がりは良くありませんが平ヤスリで手加工は根気の要る作業で8φの穴を開け切り込みを入れ締め付けました

ファンの風を2C39に送るのに工夫をしてみました。あの有名なJBLの音響レンズを思いつきました。下のウーファーBOXが小さいので形が悪いですが、専用のネットを張り風が前面に出てきます。 ホーン部も当然2本の出力管に効率良く出てきます。
配線作業に入る前の状態ですが、姿、形は仲間に受けるのだろうか?・・・・。これから配線作業に入ります。強制空冷のJBLホーン風のダクトが外すことが出来ます。 今から考えるとシャーシーに色を付ければ良かったかな・・・・。
エイコー管(ドングリ管)の詳細が分からないのと、試作の結果、現時点では使えないと判断して、WE416Aの出番となりました。 出来ればMT管は使いたく有りませんが手持ちの中で選択しました。
後ろの写真ですが、スイッチ、ボリュームと何も有りませんので、シンプルに見えます。 安全の為のヒューズは省くことが出来ません。
今回製作したアンプの底の内部です。 部品点数が少ないのでシンプルにまとまっています。 2C39にはマイナスバイアスですので、電源が必要ですが、ヒーターのグランド側を+で使い、マイナス電源を作っていますので回路図を参考にして下さい。 

416A・2C39シングル・アンプ回路図
今回のOPTは東京秋葉原のラジオセンター内の東栄変成器(株)のOPT−10Sで10Wの規格の物を使いました。このトランスは@3500円と安く、以前45アンプを作ったときには自分なりに良い評価でしたので今回使用しました。 メインSPが16Ωなので1次が10KΩになるのを考慮しました。 8Ωスピーカーの場合は条件が変わりますので、OPTを別な物にする必要が有ります。 2C39送信管は強制空冷の必要がありますが、ファンの電圧が12Vの物に6Vを入れると適度に静かに回ったので、ファンの音が気になることは有りません。
変わったアンプ構想

又、面白い球のアンプを考案しました。 インターネットで「真空管アンプ 2C39」で検索してもヒットが無いので初の試みかな・・・でも、このページが完成する頃には検索にヒットする事でしょう。 ラジオ技術2003’11月号に2C39イコラーザー藤井秀夫さんの記事がありました。 私としては、この変わった形の真空管を見るとパワー管として使ってみたくなり、思ったら待てない性格なので、即実行です。ソケットが特殊なので売っている物では有りませんから、銅線をぐるぐる巻きにしてクリップで止めてから空中配線で試作をしました。 μが100と増幅率が高く出力管には不向きの感も有りますが、強制空冷時には100Wも有る管である事が分かりました。 果たしてこんな物がアンプに成るか・・・と思いましたが、グリッドに0.1μのコンデンサーを接続の単級アンプを試作した所、そこから出てくる音はクリアーな音を聞かせてくれました。 内部抵抗が21kΩと高いので、OPTも少し高めの物を選ぶ事で何とか物に成りそうです。 プリ・アンプが有る場合は1球のシンプルなアンプも出来ます。 手持ちに955と言う極超短波向けエーコン管を前段に使い、2C39とは兄弟の様な球なので「変わったアンプ」がでると思い製作することにしました。

試作回路と方針
2C39の内部構造をみると、3極管ですが、ヒーターの片側がカソードに接続されていて、直熱管ではなく、カソード接地で使うのが最良となるのは直ぐに分かります。 この場合グリッドには+かーかのバイアスが必要になります。 300V〜500V位で音質も確認しますが、最良の所はあと少しです。 電流も10〜50mAと良い感じです。 30分程音楽を聴き調整をしましたが、管の温度は上がってきます。 安心して使う為には強制空冷は必須のようなので、ファンを使うのが前提になります。 パソコン等にはファンが付くのは当たり前ですが、真空管アンプにファンが付くのは見かけませんので、今回は少し工夫を凝らし直接ファンが見えない様にして、JBLホーンの音響レンズ風に作ってみましたので、「変わったアンプ」が「ふざけたアンプ」になりそうです。 
期待を裏切った955
シャーシーに組み上がり回路の仕上げの時に問題が発生しました。 なんと前段の955がクセモノで歪がひどく何をしても良くなりません。 内部抵抗も計算では40kΩもあり2〜3日悪戦苦闘をしましたが駄目でした。 前段の球を変える事にして手持ちの球で最近使って無いMT球の416Aが有りましたので試作をした所、普通のアンプに近づいて来ました。 f特も簡単にチェックしましたが良さそうです。歪率特性は優秀とは言えませんが後は私の耳の問題になります。 とりあえず今日は安心して使えるアンプに成るようにエージングを行なう事にしました。 強制空冷とは言っても12Vのファンを6Vで使っているので静かに回るのですが風量は少ないので心配でした。 次はメイン・スピーカーで聞くのが楽しみです。 それにしても最近は真空管が自由に使えるようになったと喜んでいましたが、出鼻を挫かれました。構造の簡単な3極管でも奥は深い物です。 ただ懲りた訳では有りません。 また次作のアンプにはWE−416Bと言う金属管が登場する予定です。
WE416Aで再挑戦
WE416Aは内部抵抗が低いので、性格的には955の逆になります。 内部抵抗は低すぎても、高すぎてもオーディオには難しいのですが、最終的には出力管とのマッチングですから、バランスが上手く合った場合には充分に実用になる事が分かりました。

WE416Aを使うのにインターステージ・トランスも試作しましたが、いまいちでトランスの使用は辞めることにしました。 内部抵抗が955の逆に低いのでプレートの抵抗も小さめにしました。 理想的には歪率特性を考慮すると内部抵抗の4〜5倍程度が良いようですが、手持ちの10KΩを使い調整しました。 どちらの球もμが高く感度が良すぎ、2C39の歪が多いので9dbのNFBを掛けることにしました。 もともとはNFBは好きでは有りませんが、歪を見るとそんな事は言ってられません。 9dbは拘りは有りませんので適当です。 ただし10db以上にすると球、トランスの持ち味が消えてしまう可能性もあると思い、最近はNFBは9db迄と内心は決めています。 トランスも得に立派な物ではありませんが、下は6Hzで−3db、上は100kHZで−3dbと優秀な性能に仕上がりました。最大出力は0.8Wと1Wに満たない小出力アンプですが、私のメイン・スピーカーのALTEC−A7では出力不足も無く送信管らしい力強い綺麗で澄んだ音を聞かせてくれます。 高域の聞こえない所の音が感じる様に思います。ライブでは等身大の像が浮び出ます。下記特性表を見ても分かるように音楽再生には充分な特性でギガヘルツ帯域用の2C39はオーディオにも対応が出来ることが分かりました。 本来は1000V級の球なのでB電源を上げて出力を稼ぎたいのですが、ヒートシンク部分がプレートなので感電の危険がある為に通常の電圧にしました。 とは言っても400Vでも感電注意!です。 前作の6V6メタル管アンプでも好結果な物でしたが、今回も予想外の好結果で変わった形の真空管シングル・アンプがまた1台誕生しました。困った時には相談する仲間も増えて皆の意見を聞き作り上げた1台とも言えます。 又、これだけの高音質を出してくれるALTECの高能率スピーカーにも感謝です。  

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