3極管ECC34プッシュプル
低歪0.02%(最小)
バランス・コネクター対応・ラインアンプ
バッファーアンプ

フローティングOPT方式
ECC34 Line Amplifie   2009 ' 10'27 By S.Suzuki

前回製作した6SN7GTを使ったライン・アンプには性能面など優秀でしたが「球」そのものの魅力が薄いためにもう一つ製作する事にしました。低歪な事もあって今度はRCAライン・ケーブルとキャノン・コネクターのバランス・ケーブルに対応した物にしました。RCA入力時はUTCのA20を使いプッシュプルの信号を作っています。この為にボリュームは4連の物を使用して有ります。
からウロコ・・・。
歪率    0.02% (最小時)
入力      1V時2.2V出力
周波数特性 5〜100kHz(−3db)
整流管はテレフンケンのAZ12です。4V2.2A、500V120mAです。電圧が300Vの時には200mA程流せる全波整流管です。ピン配置は独特の物で回路図にソケットの図面がありますので参考にして下さい。球はガラスの透明度が高く中の電極がひじょうに綺麗に見えるのが大きな特徴です。
GT管で6SN7があり、互換球とされているECC32を探していましたが4本揃える事が出来ず諦めていました。そんな中で此のECC34が4本見つかりましたので計画を進めました。増幅率は11.5で10mA流す事が出来ます。今回の設計では8mA流して使うことにしました。
後方から見た写真に成ります。バランス・ケーブル対応で入力はRCAも対応しています。
回路と感想

電源トランスはノグチトランスPH100Sを使いました。出力トランスは橋本トランスのHL−10K−6を使ってあります。20Kを買うつもりでしたが間違えて10Kを注文してしまいました。でも、結果的には広帯域で低いほうは5hzから100Khzまでが−3dbと又此れが優秀なんです。極端な事を言うと2ヘルツ、3ヘルツの音迄出てきます。前回の回路は半導体を使い各球に4mAを流していましたが今回は電圧調整で2倍の8mAに合わせ込みをしました。低域特性が特に良いのはOPTのコアの大きさと多目の電流による物と推察します。また、高域が伸びているのは入力トランスのお陰では無いかと思います。UTCの特性表を見ると10〜50Khzと書いてありますが100Khzまで伸びているのには驚きました。此処で使ったUTCのリピーター・トランスはA20でA22等と並んで音質には定評がある物です。前作のグリッド・チョーク・コイル使用時は45Khzだったので更に高域が改善されています。特性が音質そのものでは無いですが性能が良いと気分まで良くなります。
完成後整流管が妙に大きくてアン・バランスでしたのでソケットを15mm位下げて球の頭位置を合わせ直しました。回路は既に市民権を得たと思いますが氏家さん考案のフローティングOPT方式を参考にしています。回路の大きな特長はトランスにDC電流を流さないで使う方法で低域の周波数改善が目的です。実際に此処では2hzでも信号として出てきます。

調整は100ΩのバランサーでOPTの両端が0Vに成るように調整すれば終わります。通電後に調整をして1時間位エージングした後に更に合わせ込んで行きます。此れによって出力トランスの1次側には一定のDC電流は流れなくなります。テスターの制度にも関係しますが多少の値はフラフラしていても±0.2mV位に調整ができます。この調整も0Vに近いほど精神的に気持ちが良いです。最終的に仕上がってみると歪率が桁違いに少ない事が解りました。音質的にはヒットでは無く久しぶりのホームラン・・・てな感じで、前作6SN7ライン・アンプよりも更に良い音と思うので製作をお勧めしたい1台です。
尚、多少の変更がある場合にはPDF回路図を更新します。
一つ問題がありまして、整流管が直熱管の為に電源オンの時、ECC34が温まるまでの間ハム音が出ます。気になる方は傍熱管やタイマー回路を入れる事で解決可能と思います。私のポリシーとしては「同じ球を出来るだけ使わない」なので此のまま使用する事にしました。下記特性表は3hzから100Khz間での様子を現しています。

PDF 回路図
特性表
感電注意
今回のアンプは300V近くの電気を使いますので追試される場合には感電に十分注意して下さい。特に出力トランスの中点の部分は電源OFF時も放電しない為に何時までも電気が溜まった状態になります。此処を理解していないと思わぬ事故になってしまいます。修理や点検時は1KΩ程度の抵抗で放電が必須です。
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