オール・ウエスタン・エレクトリック

VT2(WE205シリーズ軍用管)プッシュプル
古典球・真空管アンプ

 
WE203A、WE216A、WE205E Push−Pull Amplifier

濃密な小出力 真空管アンプ
WESTERN ELECTRIC

私は特に3極管が好きで何台も作ってきましたが、オール直熱3極管をまだ作っていませんでした。UTCのトランスでインターステージにS8、出力にS15、ウエスタン・エレクトリックのWE−VT1、WE−216A、VT2等の珍しい球が入手出来たので、滅多に作れない古典アンプの設計をしました。初段にVT1と216A、出力段にVT2のプッシュプル・アンプでステレオ・パワーアンプなので、WEの古典球8本と同じくWEの整流管の計9本も使用した超贅沢なアンプが完成しました。 前段はVT1と216Aの2段構成で中間トランスにUTCのS8、VT2のPPアンプでOPTはUTCのS15を使った全段直熱3極管仕様で、これも小型送信管アンプと言えるでしょう。 配線の線材はWE製、銀ハンダで製作。 最近変な趣味になってきたかな〜とも思いながら、音質の追求よりも珍しい物で、他の人が簡単には真似の出来ない物を作るのも自作の楽しみかたですかネ・・・・。 適当なアンプを作っていくと10台に1台位は、目の覚めるような音が出ることがありますが、この古い球とUTCのトランスたち、現代の高価な物より良い音を出していると思います。

今回のVT2ppの前段にVT1と216A簡単な回路を作ろうと試作中!。この装置で適当に組んで、即音出しも可能です。
1977年製のWE274Aです。 このウエスタン・エレクトリックの整流管も有名な球ですね!。 最近は高価でなかなか手が出せませんが私は随分前に買っておいた物です。 とても有名になりました。 マニアとしては1本は必要でしょうか・・・・。 
これが噂のWE−VT1です。誕生から約100年ですので不良が多いと聞き念の為に予備球も準備しました。受信用万能検波増幅管です。
ウエスタン・エレクトリックのVT2は205Eの軍用管、つまり205Dの元祖です。 航空機の送信機用発信回路でA電池として8Vを使いB電源300Vで5Wの出力の小型送信管。 良品が4本有り、UTCの出力トランスで究極のPPアンプを作ったので、ご覧下さい。 VT1と同じ1918年に作られ、後にUV201が民生用に出てきます。
ウエスタン・エレクトリックのWE216A,。 中身はVT1と似ていますが、WE101シリーズと同等管と言った所です。1922年に製造されましたが保存状態が良かったのか、綺麗な球です 。
いよいよ製作に入ります。アルミ板があるのでケースも自作することにします。今回は重量が多くなりそうなので、集成材の1枚板の中をくり抜くことにしました。外周はホームセンターで板を購入時にカットを依頼しました。1カット10円は安いし綺麗に仕上がる。
板厚が30mmあり高級感があります。木目が綺麗でしたので、ウレタンのクリアで塗装してみました。集成材もこうしてみると、なかなか味があるじゃないか・・・・。
シャーシーのサイズに部品を載せて図面に書きます。実物大で印字してアルミ板に合わせてみました。当初の予定では、整流管、VT1、216A,VT2で9球の予定でしたが、部品が入りそうも無いので、設計変更が余儀無くされた・・・・。
全部品が、物理的に入らないので、残念ですが今回は初段のVT1は中止しました。整流管を除きオール・ウエスタン・エレクトリックの丸球で製作することにしました。この丸球のUVソケット6個は、山本音響工芸で購入できます。

中央の4本の綺麗なコンデンサは、B電源のフイルム・コンデンサーです。サイズの割りには、容量は少ないのが、球に傷。後ろには、電源関係のトランスが並びます。あとチョーク・トランスが揃えば内部配線の製作に入れるのだが・・・・・。

チョーク・トランスが揃いました。トランス・ケースは今回、3mmの航空ベニアで製作しました。われながら良い出来映えです。早速音を聞いてみよう・・・・・・。
トランス・ケースの製作により格好も良くなりました。後で分かったのですが、横幅が大きくてオーディオラックに入いらず左右1cm程カットして、ヤット完成しました!。
配線はWE製です。AWG22ですがAWG18が有れば良いのですが探せませんでした。メッキ線ですので、ハンダの「のり」は良く皮膜をカットする工具等を使い作業は早く終わりました。単線は音が中域に寄り、撚り線はワイドレンジになるのが特徴のようです・・。
線材が少し細めなので、シンプルに見えます。ヒーター用のトランスを1個追加しました。厚みが30mmなので作業がしやすく、配線は楽にできました。参考までに線材は全長で約12m、銀ハンダは0.8mmで約5m使いました。
一度完成しましたが、初期予定のVT1も追加して、オール・ウエスタン球9本の立派なアンプに仕上がった。VT2のヒーター電圧を最終的に7V弱にしました。雑誌等では4.5Vとか6Vとか書いてあり正確には分かりませんが4.5Vですと1Wしか出なくて歪が多く実用になりませんでした。こうして最終適に出来上がった!。

試作編
試作のこの状態(前段部分)で小出力のシングル・アンプになってますので、このまま仕上げても良いでしょう。小出力ながら、かなり濃密な音を出してくれます。とりあえずこの試作の状態で特性をとっておきます。出力トランスはタンゴの小型U608での統制ですので、U808等に交換すると特に低域の改善が出来ると思います。
NON−NFBで最大出力は1W。最大出力付近の1W時の歪率が2、6%ですので、合格と言った所です。
これが、約100年前に作られた真空管と思うとたまらない物がある。下記の特性を見ても負けていない。
音は45アンプに近い感じがするが、1W単価で比べるとこんな高いアンプは無いと思う。使用中は真空管のフィラメントの様子が全部見え他のアンプでは見られない独特の雰囲気が有る。
シャーシー設計の段階で部品が全部のらない・・・・・・・。
今回のアンプは、世界最高峰のWE製の単線のケーブルで配線してみました。この線材は、AWG22ですので、太い線では有りません。現代の常識からは、とても細い線です。詳しいことは分かりませんが、メッキ線の外側に布の様な物が巻かれています。これは帯磁を防ぐ為の様です。本来はAWG16のメッキ線のヨリ線等がスピーカー・ケーブルに有名の様です。時々WEの電話線は駄目と言っている方がいますが、そんな話しは無いと思いますので、有ったら使ってみて下さい。有名なJBL、アルテックのスピーカやネットワーク等の中には、この線が使われているのは、この線の方が音が良いと言う計算の元に使われている様で、むやみに太い線に交換しても良い事は有りません。線材1つ取っても奥が深いですね・・・。ハンダ付けも銀製の物があるので、それを使ってみました。煙の匂いが違うものの、使用感は変わり有りませんでした。雑誌を見ていて、完成品のプリント基板のハンダを除去して、銀ハンダで付け直して音が良くなった記事を見ましたが、感度の良い方はそれが分かるそうです。 私には全然分かりませんが、いろいろな出来ることを積み重ねて少しでも良くなれば良いと思います。
周波数特性
丸球のスタイルは素晴らしい!
試作段階で夢に見ていたVT1とVT2の組み合わせがサイズ適に出来なくなり、設計変更を余儀無くされました。
部品配置が終わりますと配線作業は早く、短時間で完成しました。 B電源は全てフイルム・コンデンサを使いたかったので容量は少ないでしが、高音質を狙いました。
ヒューズをセットして整流管を外し電源を入れヒーター電圧から検査します。各電圧をチェックします。定格電圧を超えず−5%位の間ならOKですが合わない場合は抵抗で合わせます。
次にバイアス用の電圧を調整します。調整用ボリームで22.5Vにセットします。これでVT2に約35mA(1本)に流れます。
この作業が終わりましたら一度電源を切り整流管をセットしてB電源(高圧)部分の検査です。 回路図を参考に近い電圧ならOKです。
スピーカーの出力ターミナルにテスターでACのレンジに合わせ0Vか確認します。アンプが発振している場合は数Vの電圧が出ています。異常が無ければ、いよいよ音出しです。
お気に入りのCDをセットして聞いてみました・・・・。
音の表現は難しいですが、過去に作った6CA7pp、2A3pp、300Bppとは全然違います。プッシュプル・アンプでこんな音を聞いたのは始めてです。
管球王国「世界のトランス大研究」の新 忠篤氏の紹介をみてUTCのS15のトランスに魅力を感じ部品集めに長い時間を費やしたけれど納得のいく音です。
プッシュプル・アンプの音が悪いと思っていたのは、間違いでした。それなりに設計(?)すれば、素晴らしい音で鳴ります。以前作った2A3や300B、6CA7,KT88等には、この音は出ません。 管球王国の記事にも有りましたが、この小さなトランスから豊かな低音が出るのが不思議に思えます。 初期の古典真空管、トランスが今の物より良いのは何故でしょう・・・・・。
2つの失敗。
1・横幅が大きき過ぎてオーディオラック入りませんので、左右を少しカットしましたが、作りが雑になってしまった。
2・アンティークな電流計の針が動かなかったので、いろいろ試していたら煙が出て亡くなった。あとで良く見たら極性が逆だった!。
VT1が仲間入り!最終的に大幅変更
VT1は一時はあきらめて完成しましたが、どうしても完成した気になりません。思い切って改造することにしました。今でも音は悪くないので、初期の設計(回路)を見直して、前段をロフチン・ホワイトの構成で作って見ました。以前このロフチン・ホワイトアンプは2A3で作って音の良いのは確認済みです。VT1が最大70Vなので、電流と電圧を規格のー5%で設計しました。勿論B電源を合わせると、この前段部分だけでも、小出力の中身の濃い古典アンプが完成するのは、言うまでも有りません。
シャーシー上では、VT1が奥で控え目に有ります。整流管はWEですが古典球では有りませんので、この組み合わせではマッチしません。本来はWE217Aの丸球の整流管が有ると聞いてますが、入手できません。時間をかけて探そうと思います。
スライダックが有りますので、0Vから様子を見ながら少しづつ上げていきます。5分ほど様子を見て異常が無いので、早速音出しをしてみましたが、チョット聞いた感じでは、改造前と大きく変わりません。整流管を除き、前段直熱3極管も電気を入れるとヒーターのオレンジ色が全部見える独特の構造ですので、見ているだけでも真空管マニアには、たまらない物があります。
夢のようなアンプが完成して、音質まで望んだら怒られそうですが、音も済んだ綺麗な音で鳴ります。
またまた変更!
その後使っていると電流計が安定しません。初段の直結型回路は安定が悪いようなので、各自己バイアス型に変更しました。 音質は冷たさを感じる程の透き通った綺麗な音で、此れがオール直熱管のアンプと言う感じです。 素晴らしいです。 
周波数特性
歪率特性
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