オール・カタツムリ球・真空管アンプ

VT232、2C22、800シングル・アンプ
前段 HYTRON VT232
ドライバー RCA 2C22
 出力管 RCA 800
整流管 PV200/1000
送信管シングルアンプ Single Amplifier 2004'6

整流管 PV200/1000
最初にカタツムリ球アンプを計画した時は整流管は無いだろうと思っていましたが仲間に聞いてみました。何とか成るものですネ。 ハイ!〜そうです、有りましたよ!。

初段球 VT232 ハイトロン
横向きの可愛いプレートです。傍熱管の3極管です。グリッドがトップに出ていますのでハム対策を考慮してキャップにはシールド線を使いました。

ドライバー管 2C22
珍しい3極管で傍熱球です。 VT232同様にトップにグリッドとプレートが出ています。6mmと一番小さなキャップが適合します。この形から「カタツムリ球」と呼ばれている様です。 

出力管 RCA800
宍戸さんの本を最初に見た時に800番代の送信管が多く、800番送信管は絶対に作ろうと決め最初に購入を考えた球です。今回は前段の球に合わ登場しました。

部品配置
何時もの様にアルミ板に合わせ木枠を作りました。アルミ板に部品を置いて配置を決めキャドに原寸で書き実物大サイズで印字して板に張り付けました。

シャーシ加工
シャーシーの穴開け加工を行います。 送信管アンプの場合は特に熱対作が必要です。 普段より大目に空気が流れる様に穴を開ける事にします。

配線
最初にAC100ラインとヒーター関係の配線を済ませます。球1本づつ確認しながら注意して行います。DC点火の場合は電圧を確認して抵抗等を使い±5%以内に調整します。エージングを約8時間行いました。長い事寝ていた球を静かに目覚めさせます。

最終仕上げ
ヒーター配線が終わり続いてB電源、信号線の順番に行います。最後に最終点検をします。 相も変わらず配線は下手で性格丸出しです。WEのエナメルシルク等を使うと形も作れるので綺麗に出来るのですが、お金が・・・。

電球みたいに明るい球が魅力
明かりが灯もった雰囲気は言うことがありません。音を聴く前に満足してしまいます。アルミ板の反射と白木の組合せもバッチリです。
音を良くする巻線抵抗  購入先はタイムトラベル
巻き線抵抗の一部です。一度完成したアンプの殆んどの抵抗を交換したのは始めての事でしたが、結果は上々で今後は巻き線抵抗の登場が多くなると思います。コイル成分を嫌う方も居るようですが私はイケテルと思います。やはり精度よりも音質ですよね!。
RCA800送信管シングルアンプ回路図
今回の経緯
カボス様からカタツムリ球を頂けるという事で楽しみに待っていました。 最初はカタツムリの意味が判らずにいましたが球を見て直ぐにわかりました。 プレートとグリッドの2つのピンがトップに出ている物の事でした。 以前から持っている送信管の800番が有りましたので、直ぐに「これしか無い!!」と組み合わせが決まりました。こうなったら整流管も合わせたくなりますね!。頼んでしまいました。 有りました。オール・カタツムリ球アンプが作れそうです。800の出力管はヒーターが7.5V3.25Aと使い難い球で市販の電源トランスで丁度合う物が少ないのが現状です。 前から閉っておいた旧タンゴでお馴染みISOの角型トランスで作ろうと出してきました。10V端子と5V端子2個を使い抵抗で7.5V迄下げて使う事にします。前段のヒーターが足りなくなり12V1Aセンター付きのPTを1個追加しました。出力管には片CHあたり140mA位流したいのですが整流管とチョークコイルが200mA用なので前段に10mA,出力に90mAの計200mAを定格で使う事としました。
回路構想と設計

回路はイントラ反転ですが、前段はB電圧が低くドライバー管には直結(ロフチン・ホワイト回路)はやめてコンデンサで信号を渡す事にしました。
回路の抵抗を決めていきますが、私の設計方法を簡単に説明します。B電源の最初の抵抗

6KΩの計算方法
PT360Vを整流管を通った後の電圧を420〜460Vと推察して今回は420Vで計算します。ドライバー管のプレートに300Vを予定します。 420V−300V=120Vとなり差が120Vです。ドライバー管に8mA、前段に2mAが2回路で20mAを流す予定なので120V÷0.020A(20mA)=6000(6K)Ωになります。120Vx0.020A=2.4Wですので余裕をみて3W〜5Wが必要となります。


次の抵抗22KΩの計算
前段の球に190V(適当)と決め先ほどの300Vから更に190Vに落とします。差が110V、前段の球に2mAが2回路、ブリーダー抵抗に1mAの計5mA流す事にします。110V÷0.005A(5mA)=22000(22K)Ωと成ります。110Vx0.002A=0.22Wで1W〜2Wの物を選びます。

ブリーダー抵抗の計算
先ほどの190Vを常に1mA流す事にします。この抵抗は安定と電源OFF時の放電を目的に入れます。190V÷0.001A(1mA)=190000(190K)になります。一般に190KΩの抵抗は有りませんので近い値の抵抗を選びます。180K、200K、220K等が一般的で私は200KΩを選びました。190Vx0.001A=0.19W、余裕を持って1W〜2Wの物を選びます。

カソード抵抗
ドラーバー管のカソード抵抗は実際の通電状態でプレート電流が8mA流れるように抵抗を決めます。 私は5KΩのボリュームを使い8mAに合わせ、その時の抵抗値を見て最も近い数字の抵抗を選びます。 前段も球はカソード抵抗を1kΩ+120Ωと決め、プレート側に250kΩのボリュームを付け2mAに調整して抵抗値を決めました。ご存知と思いますがテスターで電流を測る場合には回路に直列に入れる必要があります。直列とは測る部分をカットして、その間に電流計を入れます。

実際には抵抗のバラつき、トランスや球の内部抵抗等の問題があり計算の様には行きませんので実際に製作した後で確認する事になりますが多少は参考に成ったでしょうか?。

製作と調整
前回製作した805シングルアンプではカソード・NFBとオーバーオールのNFBと位相問題も無く上手く行きましたが、今回のトランスでは高域のピークが有りました。INTの2次側にCR(抵抗とコンデンサ)を付けて解決しました。NONーNFBとNFB−3dbで音の比較をしましたがNFBを掛けた方がグッと引き締まった音になりました。調整は出力管の電流を正確に90mAにトリマー(半固定ボリューム)を回して合わせます。 電流計は必須です。 ハムバランサーの調整は簡単で実際に音を聴いて無信号時のノイズが最小になる様に合わせます。 電源投入の前に中央付近迄で回しておきます。 音質とは裏腹に歪率特性は優秀とは言えませんが、ご存知かと思いますがハムバランサーを回したり出力管に流す電流の若干の調整で極端に変りますので全然気にした事は有りません。F特(周波数特性)は14HZ〜68KHZ迄が−3db以内と優秀です。
視聴と評価
参りました。 良い音を聴かせてくれます。私の歴代3位内に入ります。前回の805、808、4624に迫る音が出てきました。 偶然にも「いただき物」のカタツムリ球が良い結果で大満足です。おそらく「頑張れ」と送り出してくれたのでしょう。良い報告が出来ます。 有名な球では無くても偶然の組合せで光輝くのには驚きです。この様な事が有るのでアンプ作りが辞められません。 宍戸さんの本の記事に送信管800番は前段の音を「其のまま出す」と書いてありましたが、今回の結果は出力管よりも2C22が優秀生なんだと思います。タンゴトランスは久しぶりに使いましたが以前のイメージとは違い良い印象を持ちました。新会社IOSの皆さんが頑張っている様子が伺えます。今まで何台ものアンプを製作しましたが今回は若干ですが「サー」と言うトランジスタアンプの様なヒス・ノイズが出ます。100数dbのスピーカーでも耳を近付けないと聞こえないレベルですが管球アンプでは初めての経験です。
その後の変更

私の評価としてはベスト3に入ったこの800シングル・アンプですが、巻線抵抗のアッテネーターと吉村ケーブルの変更でこれ以上無いと思える位に良い物になりました。そこで抵抗を音に関係する所を全部巻線抵抗に交換しました。するとどうでしょう。以前気になっていたヒス・ノイズも消え一段と綺麗な音に成った感じがします。この所ズット聞いていましたので違いは良く分かります。チョット単価の高い抵抗ですが価値は大きいと思います。この巻線抵抗は入手が難しいのでタイムトラベルで揃えて頂きました。

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