2011年Stereo誌・自作スピーカコンテスト受賞作品

付録組立キット8cmスピーカ
コンビネーションホーンスピーカ
究極のバックロードホーン

 

自作スピーカコンテストを目指して

オーディオの総合誌「Stereo」2011年7月号に8cmスピーカ2個が付録で付いてました。 昨年は6.5cmだったので今回は少し低域に期待できます。 早速購入して簡単な箱を製作しました。 マグネットの大きさは同じ位ですが値段の割には良い音で鳴っています。 通常900円の雑誌なのでスピーカ1個あたり950円のスピーカです。 価格はともあれ此れに合う箱の検討ですが、前回のコンテストでは片側に4個使っている方もいましたので私も色気を出して今回は2個仕様として設計を始めました。 大体の計算では10cmのスピーカと同等の面積になります。 スロート面積で考えると12cm位迄のユニットを使える計算です。 何か特長の有る物をと考えて思いついたのが此処に紹介するスピーカーに成ります。  さて、いざ作ってみると問題が多く発生して同じ物を2個作る事にも苦労しました。 音質を聴いて見るとホーンがストレート過ぎて中域の不要な音まで出てきました。 若干の失敗も感じ色々な経験です。 今まで経験の無いホーン臭い音に成ってしまいました。 空気室を可能な限り大きくして(未だ足りない)、吸音材で幾度も調整しました。 実は未だ完璧では有りません。  吸音材を入れすぎると低域が締まり過ぎ、歌声が口を押さえて歌っている様な不快な音になり、少ないとポンポンと響くギターの箱が鳴っている様な音に成りました。 今回は箱の作り変えの時間が無かったので諦めてスピーカを2個の予定を1個にして、その1個を低域用として1個は上側に置き2ウエイとして調整で最良点を決めました。 メーカーからデーターが発表されていますが自作スピーカでは安定した同じものを4個作れるか心配でしたが、それよりも、何度も調整している間にドライバーが滑ってコーンにの外側ダンパーが少し破けて、更にあと1個のセンターには笑窪を作ってしまいました。 注意力が全く有りません・・・と言うか有り得ません 。 仕方なくツイター部に取り付け、目隠しカバーをつけて誤魔化しました。 実は。こんな状況でコンテストに参加してしまいました。

スピーカの設計図 : 図面
コンパネは12mm厚の物です。 2個1セット作るのに約3枚つかいました。 図の様に現物大の紙を印刷して鉛筆でカットする線を書きます。
油性マジックで下書きが終わった所です。 今回製作のスピーカは曲線を綺麗に出したかったので、板の繋ぎ部分も分かり難い場所が良いと思い図の様な形状でカットしました。
今回は殆んどが曲線なので電動ジグソウを使って材料をカットします。 このジグソウは曲線部は良いですが、直線部は難しく、どいしても少し並々に成ってしまいます。
材料が切り終わって各部品を合わせて確認します。 この後、この切り出した材料から他の板に罫書きして残りの3セットを作りました。 しかし、此れが失敗の元、かはり全部紙型で作るべきでした。
パーツの接合を行ないます。 此処は切断面のみで強度を保つ必要があり、接着後3日程乾燥させます。 十分乾燥していないと後で曲がってしまいます。 当初、夏場だったので1晩(約10時間)程たって加工を始めましたが、板を曲げている時に接着面に隙間ができてしまい、作りなおしを余儀なくされました。
形を作っていくに当たり、比較的直線の多い外側の開口部から作っていきました。 しかし、ふにゃふにゃしていて中々上手く行かず、木ネジを兼用しても四角に成りませんでした。 多少のコツが必要です。当らないハズの部分も板を中央寄りに反らせると干渉して平面図から作った型紙ではズレが出てきました。
ようやく形が出来てきました。 このままでは未だ箱の強度が全然足りません。 全体を組み上げてモノコック状態で強度を持たせるしか方法が在りません。

概ね形が出来てきましたので中側から工作を始めます。 外側の板を段々を絞って細くしていくので接着面は平行では無くなるので全て板を貼る面を平らにします。 外側はカンナが使えますが中側は全て手作業に成ります。

此処からは模型用の航空ベニアと呼ばれる約2mmの合板を張っていきます。ボンドを付けてガムテープで固定していきます。洋書々に角材をはめて寸法も合わせる必要が有ります。 この状態で1晩待ちます。
此処に使用する航空ベニアは写真の様に曲げても折れずに加工する事が出来ます。 又、表面もツルツルなので音の流れも良いと思われます。
十分接着したのですが念の為に隅はコーキング処理も行ないました。 写真の様にコンパネとは違い、表面も綺麗で音の通りが良さそうです。
コンパネを反らせて作っていったので表の見える部分が予想以上に反って中央が膨らんで見た目にもどうにも成りません。 仕方ないので全体を整形する為に角材の集成材を表面側に付け足しました。
上側からみると写真の様に板が反って綺麗な曲線が判ると思います。 此れだけ反らせるのには3日位の時間をかけてユックリ作りました。
中側の加工が終わり最終の場面です。 段々と形が見えて完成が近いです。 この少しだけ残った部分も少しカーブしているので、実は板を張るとなると面倒なんです。
予想以上に軽く仕上がっています。 後方脚部は女性のハイヒールをイメージして作ってみました。3点支持で防振対策のゴムパッキンも組み込みました。
塗装に入りました。 コンパネは見た目が綺麗では有りません。 何か色をつけた方がよさそうです! 取り合えず・・今は簡単に済ませます。色については後で考えます・・・・。
ツイータを付けてリスニング「・ポジションも良くなりました。 通常6db/octの場合ツイータは逆相接続だと思いますが、正相の方が綺麗につながります。 音響レンズも航空ベニアで自作しました。一応左右25度の拡散を狙いましたが、本当の目的は傷を付けてしまったユニットを隠す為です。 センター・キャップに大きな笑窪が・・・。
ボックスの後方がストレートに空いています。 後方が丸い円状で丁度良い感じだったので、音を上へ反射させようと思いつきました。 クロスオーバーを750hzと低い設定で6db/octとして、ユニット本来の音質が楽しめる・・・・ハズです。 スーパーツイータ域の音が出ません。 しかたなくウーファー側にWEの0.47μペーパー・コンデンサを追加させ高域を足してみました。(普通はこんな事しないですよね!)
1セット3万円弱の超高級のスピーカ端子です。 最近流行のロジウムメッキとか言うやつです。 2010年の自作SPコンテストの時に景品で頂いた物です。 自分では中々買えない物ですが、気合を入れ、此処で使いました。。

実を言うと重低音を狙ってユニットを2個使う予定でした。 ところが、迫力は有るものの予想に反して中音が出過ぎました。 低域高域が共に減少してしまい好みの音では有りません。 結局・・・この方法は中止としました。

上記2個仕様が駄目ならば1個。 フロント・ショートホーンを作りました。 ホーン形状等何も設計してません。 適当です コーンの空振り防止と見た目のの美しさが主の狙いです。
上記の様に簡単なフロント・ホーンを作りましたが低域が足りません。 空気室の容量不足か? と思いホーンの無いタイプも作ってみました。 残念ながら音質の差は感じられませんでした。 最終的には此れも・・・没。
クロスオーバー等は手持ちの部品で適当に決めた設定ですが簡易測定してみると満足いくデーターでは有りません。 他のスピーカと聞き比べをすると物足りませんが、このスピーカだけで何枚かCDを聴いていると「こんなもんでしょ!」と思うようになり、概ね完成としました。
クロスオーバーは750hzと低め、ツイータ側は25μ、ウーファー側に2mHに近い手持ちの部品をつかました。 高域の15khz以上が不足だったので低域に0.47μを追加して少しf特改善をしてあります。
当初の計画では8cmスピーカ2個使用で10cmスピーカとしてスロート面積を決めたので予定とは変ってしまいました。 8cm〜13cm位までのスピーカが使えます。

最初はどんな調整をしてもホーン臭くて「大失敗!」かと思い、少し諦めムードでしたがエージングしました。少し大きめの音量で一日約12時間、半月程で低域が締まって少し良くなって来ました。 その頃、一次審査通過の連絡が来たので今回は此れで仕上げとして最終審査に向け発送しました。 後は結果待ちです。 このスピーカ癖が有るようで、曲によって好き嫌いが有ります。超リアルに感じたり、全然駄目だったりするので選曲に寄っては良い結果が出ないかな?・・・・。 下記周波数特性の様に重低音は無理ですが、マズマズの出来です。3khzのディップはフロント・ホーンが悪さをしていますが、昨年同様に「コンビネーション・ホーン」でコンテストの申し込みをしたので、今更変更ができない状況です。

自作スピーカコンテストに入賞・特別賞
結果発表は音楽之友社のホールで行なわれ、発表の前に一度音出しが行なわれました。アンプ類の機材も一流品で電源タップ、ケーブル迄気を使った物を使用して文句無しの完璧でした。 今回は212名の参加だったそうです。 評価は専門家4人以上で行なわれ30名程が1次審査を通過、厳選に審査したと言われると結果の内容に納得せざるを得ません。 家で聴いていた環境と違い、後ろに壁が無い為に重低音域が聞こえませんでした。
ベストサウンド賞、アイディア賞、スプリット賞と発表されていく中、私の名前が無く諦めていました。 その中、特別賞で名前が呼ばれました。 特別賞とは「1,2,3位とかでは無い何かおもむきの有る賞が良いよね、と言う趣旨で決めた」と説明がありました。 昨年の受賞者の中で本年も受賞出来たのは私1人だったので今回も入賞できたのは光栄です。
先生の評価も「成るほど」と納得の出来る説明、製作者に苦労話等を質問したりの会話、審査員の先生方も勉強している姿勢を見ていると、一体感や親近感も有り、こういったコンテストが本来の姿だと感じ、スタッフの他に社長までも参加して会社全体で会を盛り上げている姿勢が気持ちよく感じました。 私は家内と2人で行き、共に楽しい時間をすごせました。