陰睾丸
しでんくんは陰睾丸です。陰睾丸と言うのは睾丸が外に出ていなくて体内に入ったままでいることだそうです。生まれた時は睾丸はまだおなかのなかにあって、少しすると外にでるんだそうです。しでん君は片方の睾丸がおなかに入っています。ブリーダーさんから買ったときはまだわかりませんでした(ブリーダーさんには将来陰睾丸になることはわかっていたんだろうけど)。しでん君のおなかを見るとここに入っているのかなあと思われるふくらみがあり、多分それがそうなんだと勝手に思っています。

普段の生活で今のところ支障はありません。ただ、繁殖はあきらめています。あきらめるというほどの悲しい決意ではなく、しでんくんは子供は作らないんだなと思っています。陰睾丸なので子供が作れないということはないと思うけれど、陰睾丸の遺伝を残してはいけないですよね。やっぱりよくないですから。なぜかというと、今は生活に支障ないといっても、将来、陰睾丸が癒着する可能性がある、らしいのです。だから、去勢をかねて、元気で体力のあるうちに手術してしまった方がいいのかもしれません。でも、このままなんの差し障りもなく一生を終えるかもしれません。手術は全身麻酔です。小型犬が全身麻酔から覚めなかったという話しもあります。それにしばらくは痛いでしょうし、変な感じがするでしょうし、何でこんな目にあうんだろうと悲しく思うかもしれないし、とにかくかわいそうで。また、入院となると、たとえ何時間でも、あまえんぼのしでんくんにはとても淋しく、不安で、大変なストレスとなり、よくない影響をあたえるかもしれません。
ということで、本当にかなり迷いましたが、そのままにしています。癒着しないことを願うばかりです。もし、将来、何かの事故で全身麻酔をかけるようなことがあったら、そのとき一緒に治療するかもしれません。そんなことのないほうがいいし、しでんくんはこのままだね。あと、ショードッグにはなれないね、しでんくん。


結局 手術(2007年 7月20日追加)

前回これを書いてから3年くらいたったでしょうか。しでんくん4才です。6月、フィラリアのお薬をもらいにお医者さんに行きました。毎年恒例の行事です。体重はかって、血液検査して、耳とか体のチェックもしてもらいます。
とうとう今年、しでんくんの陰睾丸、早いうちに取った方がいいでしょうと言われてしましました。まだ大丈夫ですが、これから玉が大きくなって、癌化する恐れがあり、100%取ったほうがいいと。それも今年か来年中には取ったほうがいいと。確かに子供の頃に比べて、おなかの中の玉が大きくなっているとは思っていましたが、今年、来年といった切羽詰った状況とは思っていませんでした。しでんくんは今、とっても元気。なのに手術。できることならしたくない。でも、100%した方がいいと言われ、今ならしでんくんも体力があるし、将来、年をとって、癌になってから手術するよりもいいかもしれない。
手術することを決意しました。それにはやはり、お医者さんを信頼して、ということがあります。しでんくんが赤ちゃんのころからお世話になっているお医者さんで、このお医者さんが100%した方がいいと言っている。このお医者さんは金儲けのために手術を勧めないだろう。そう思いました。実際、手術費用は1万4千円です。たった(?)1万4千円のために、手術をすすめるお医者さんは悪い人ではないだろう。それに結構はやっているお医者さんだから経験も豊富だろう。・・・まあ、いろいろ理屈を考えてはみたものの、結局お医者さんを信頼していたので、手術を決断したわけです。病院の待合室のポスターに、「当院ではレーザーメスを使用しています。レーザーメスは回復が早い」とありました。そんな小さなことでも良い方に考えて、手術をしても大丈夫と納得しようとしました。

6月22日、手術が決まりました。やるなら早いほうがいいということと、夏、暑くなる前の方がいいだろうということで、決めてしまいました。前日の夕飯後は絶食です。当日の朝からは水もだめです。だから当日、お散歩はやめることにしていました。散歩の後、水、飲めないもんね。でも、雨降りで、行けなかったですけど。当日もお医者さんは普通の診察が午前中あるので、手術は午後になります。でも、9時から10時半の間に連れてきてくださいといわれました。ぎりぎりまで一緒にいたいから10時半につれて行きました。ちょうどフィラリアの時期で混んでいて、診察室に入ったのは11時でした。しでんくんは何も知りません。いつもの診察だと思っているのでしょう。いい子です。だから余計悲しい。
先生の説明がありました。どこを切るのか。しでんくんはおなかの中の玉だけ取って、外の玉は残しておいてもいいといわれましたが、両方取ってもらうことにしました。去勢です。その場合、もしかしたら玉の位置によっては切り口が2箇所になるかもしれない、その場合は料金が5000円増しになるそうです。でも、なるべく1箇所ですむようにしてくれるとのこと。手術自体は5分で終わるそうです。麻酔はまず、注射で眠らせてからガスを吸入させる全身麻酔で、ガスをはずせば5分から10分で目が覚めるそうです。夕方には歩いて帰れますといわれました。
しでんくんは乳歯の牙が3本、まだ残っているので、麻酔がかかっている間にそれも抜いてもらうよう話をしてあったので、その説明もありました。そのほか、サービスで爪切りとか、耳そうじをしてくれるそうですが、しでんくんはしてもらわなくても大丈夫でした。全ての説明が終わり、質問はありますかと聞かれましたが、特になく、「では、お預かりします」といわれ、しでんくんは看護婦さんに抱かれてしまいました。きょとんとしてるしでんくんを見たらたまらなくて、「お願いします」と言ってべそをかきながら診察室を出ました。

受付で、麻酔の同意書にサインをして、夕方5時にしでんくんを引き取りに来るよう言われ、とりあえずいったん家に帰りました。昼時でした。しでんくんがいないお昼。そして午後。静かだし、大人二人きりなんて久しぶりでした。今ごろ手術してるのかなあ、終わったかなあ、ねんねしてるかなあ、などとずっと思いつつ、4時頃家を出ました。もちろん早いのは承知です。でも、待つなら向うで待っているほうがいいですから。少し待って診察室に呼ばれました。しでんくんが看護婦さんに抱かれてきました。エリザベスカラーをつけて、おなかには大きなばんそうこうが貼られていました。まだ麻酔でポーっとしていますよといわれました。確かにぽーっとしています。診察台の上に置かれると、よたよたと私のほうに歩こうとしてきますが、うまく歩けないようです。私も手術後のしでんくんを普通に抱いてしまっていいのかわからず、先生に一応聞いてから普通に抱きました。痛がりもせず、ただじっと抱かれていました。手術は順調に終了し、傷口も1箇所ですんだとのことでした。
今後ですが、まず、今日が22日金曜日で、26日火曜日にはばんそうこうをはがしても大丈夫、27日水曜日にはエリザベスカラーを取っても良い、そして、7月2日月曜日に抜糸をするのでまた連れてくる、食事も水ももう普段通り、散歩も明日から大丈夫、うんちもおしっこも普段通り、痛み止めは男の子の去勢手術の場合は、痛がる様だったらあげる程度で、とにかくあまり心配しなくて良い、薬は抗生物質を1日2回4日飲ませる、ということでした。抜糸があるんだーとちょっとショックでした。かわいそうかなあと。
診察室を出て、お会計です。手術代¥14000、残存乳歯除去手術¥4500、抗生物質¥860、消費税¥965、計¥20325でした。痛み止めの液体お薬は痛がったら使ってくださいということでサービスでした。ただ、入れ物が医療廃棄物なので、飲ませたあとの入れ物は返却です。4本くれました。
うちに帰っても普段通りにしていよう、しでんくんにも、これはたいしたことないんだよって思わせないといけないということで、家ではあまやかすことなく普段通りにするつもりで、普通に我々がご飯を作り、食べ、しでんくんのご飯を作り、食べさせました。特に食欲がないわけでも、ありすぎるわけでもなく、普通に食べました。ただ、量は少し減らしました。最初、ご飯を作っているとき、台所には姿を現わさなかったんですが、においにつられたのか、出てきました。おなか、すいてるはずだもんね。でも、いつもの歯磨きはやらず、なんかやっぱりぐったりしてるので早めにベッドにいれ、私もそばで寝てしまいました。その日は特に痛がりもせず(多分)ただぐったりとしていました。

次の日、朝、やっぱり調子悪いみたいで、元気がなく、痛み止めを飲ませ、寝かせてしまうと午後には回復したようで、夕方には結構普通でした。その次の日にはもう全く普通。元気になりました。でも傷口はばんそうこうで見えませんが、ばんそうこうに血のにじみがあり、玉が入っていた袋は腫れて充血しているのか赤くなっています。まだ痛々しく、生々しい感じです。エリザベスカラーもつけたままなので、食事のときははずしてあげます。うんちは思ったとおりしません。しばらくは便秘するかなあと思っていたので、それはたいして心配ではないのですが、(過去、しでんくんはひどい下痢と便秘の経験があり、便秘に関してはあまり動じない・・・自律神経のページ参照してください)おしっこの回数が減ったなあと。そのかわり、一回の量がかなり多く、1日のトータルとしては同じなんだろうけど、回数が1日3回くらいになってしまいました。おしっこするとき痛いのかなあとか、ひきつるのかなあと思って、しばらく様子を見ることにしました。便秘は手術から3日か4日で解消しました。

月曜日、ちょっとばんそうこうをはがし始めましたが、結構強力で、端っこを少しめくっただけにとどまりました。手術のとき少し毛をそられていたのがのびてきてくっついたのかなあ。火曜日、少しお湯でふやかして取ろうかとも思いましたが、少し強引にひっぱってめくれてきたところ、しでんくんがあまえてひざの上でごろごろしてるうちに取れちゃいました。ラッキー。ひざでごろごろできるくらいだから全く痛くもなんともなかったんでしょうね。ばんそうこうが取れて、じっくり傷を見てみましたが、糸でぬってあるだけ。今度はこれを抜くのかと心配になりました。水曜日、やっとカラーをはずすことができました。しでんくんも5日間もカラーしてたら少しは慣れてきてたんじゃないかな。でもまあよかったよかった。

7月2日、朝、早速抜糸に行きました。今だから簡単に言えますが、実は抜糸、とても不安でした。手術で嫌な思いをさせてしまったその10日後に、また痛いことさせるのはかわいそうで、かわいそうで。でもこれをしないと終わりにならないから我慢しようね、そんな気持ちでした。でも、抜糸ってほんの5秒くらいなんですね。診察室に入って、先生の方に足をむけて寝かせて、看護婦さんに足を押さえられて、私が頭のほうにいて、ぱち、ぱち、ぱち、・・で終わり。あとは消毒だと思われる液体を塗ってしでんくんは解放されました。しでんくんは多分びびっていたんだろうけど、じっといい子にしていました。明日からはシャンプーもしていいということで、もう完全復活です。抜糸は¥500と消費税で¥525でした。

心配していたトラウマというか、しでんくんの心の傷もなく、しでんくんは平気な顔をして車に乗って帰ってきました。(昔、お医者さんで嫌なことがあって、車が苦手になったことがありました。)今日でほぼ一ヶ月です。今日はシャンプーもしました。玉の入っていた袋はなんか小さくなっちゃって、おなかにあった玉もないからつるんとしてそられた毛も生えてきて、もう元気一杯です。おしっこはあいかわらず回数が少なく、一回の量が多いパターンですが、特に気にしてません。したいときに勝手にしています。

しでんくんにとっても、我々にとっても一生に一度のビッグイベントはなんとか無事終了しました。よかったよかった。


その後 (2007年 10月9日追加)

手術から3ヶ月半たちました。しでんくんはとっても元気です。その後のしでんくんについて付け加えたいと思います。

まず、おしっこの回数ですが、相変わらず1日3回位です。そして一回のおしっこの量はとても多いです。だから、1日のおしっこの量は変わっていないと思います。以前は散歩中によくしていたマーキングも全くしなくなりました。自宅のトイレでも以前はしょっちゅう足を上げてちょろっとおしっこを出していましたが、今はおしっこをする、というかんじで、トイレに行ったらしばらく足を上げて全部出しているようです。それに、まず、おしっこをする前に、くるくるまわらないと出ないみたいで、うんちをするときみたいにトイレの前をくるくると回ってからトイレに入っておしっこをするようになりました。最初はおしっこが出にくいのかなあとも思いましたが、そうではないらしく、だだ、マーキングをしなくなったので、普通のおしっこをしているということみたいです。だから、トイレシーツはそのたびに替えてあげないといけなくなりました。

手術をすると食欲旺盛になるというのも本当で、食欲はもりもりです。以前は仕方ないなあ、みたいにして食べていたビオフェルミン(整腸剤)やイミューン(免疫力を強くする固形の食品)も積極的に食いついてくるようになりました。ごほうびのおやつもいつまでもねだって、台所に座っています。でも、太らせるわけにはいかないので、食事も、おやつも以前のままの量を守るようにしています。今のところ体重はキープしています。

あとはやっぱりあまえんぼちゃんになって、子供のころのようです。それはいいのですが、子供のようになって、無駄吠えが少しはおさまるかと期待していたのが、さっぱりで、あいかわらず、それだけは困ったちゃんです。

変わったところといえばそんなところで、今気になっているのは去勢後も発情するのかなあということです。前は春くらいでしょうか、足につかまって腰を振っていましたが、今後どうなるのか。1年たってみないとわかりません。無駄に変な気持ちになっていたらかわいそうだなあと思うので、できれば何も感じなくていられるようになっていてくれたらと思います。
今のところはそんなところで、あいかわらずのしでんくんです。