2011年4月
 今年のルーマニアへの旅は3人だった。私と父(元一)そして昨年に続いて堀恵介君。4月7日出発ヘルシンキ経由でブカレストへ、長旅は82歳の父にはきつかった様子。翌日ハプニングが起こった。7日の夜はブカレスト市内のCAROホテル泊、翌朝朝食を済ませホテル内で父が転んで胸を強く打って息ができないくらいになってしまった。ホテルで緊急医を呼んでもらい手当てを受けたが、痛そうなまま農園に向かうことになった。父はその後3日間りんごの剪定をして、1日はブラショフに観光に行った。何と帰ってきて地元の整形外科でレントゲンをとってもらったところ、骨が折れていたとのこと、無事に帰ってこれて本当に良かった。ルーマニアの畑を父にも見てもらいたいと思って連れて行った今回の旅だったが、私としては本当に良かったと思う。堀君には2週間余計に剪定の仕事を頼んだので、父と2人で14日に帰ってきた。
 昨年収穫された「ふじ」は完売できた。結構評判が良くて、もっと欲しいと多くのバイヤーが言っていたらしい。蜜入りも心配なく売れた。ただ、値段が安かった。1キロ50円くらいの手取りにしかならず、がっか
りそれでも、ルーマニアの一般的な品種の平均価格は35円くらいだから、結局は収穫量を増やさないこ
とには勝負にならない。それで今年の花芽の様子だが、すごく調子が良かった。昨年の収量が7トンだったが今年は30トンを目標にしたい。課題は黒星病の防除と晩霜の害と雹害、被害がないことを祈りたい。  それと今回嬉しかった事は2階が完成して皆で泊まることができたこと、いつもは近くのホテルまで行って泊まったりもしてきたが、もうその必要はなくなった。まだ不便なところはあるが年々良くなってきている。


     

   
  

2011年10月

 いよいよ収穫の時期を迎える、今回はイタリアでりんご視察をした後、ルーマニアにやってきた。滞在は8日〜11日までの4日間、ふじの収穫にはまだ早いので、農場で少しゆったりできた。9日は雨だった。一度行ってみたいと思っていた田舎の教会めぐりに出かけた。ルーマニアには教会がたくさんある。田舎は村々に教会があって、どれも美しい。今回は私の農場のある村(Balilesti)の教会と隣村のふたつの教会に出かけた。ちょうど日曜日でどこもミサをやっていた。私は教会が大好き、心が洗われて、すがすがしくなる。農園においてあるギターで歌も作った,タイトルは「ジュリエットのバルコニー」〜訪れたイタリアのベローナでの思い出を歌にした。さて問題のふじなのだが、大豊作!だけどとても小さくて、黒星病という病気が多数入っていて、見てくれも悪い。りんごが小さい原因は摘果作業が不十分だったことと、かん水の井戸が干上がって水が出なかったことにあった。仕方ない、来年はもっといいりんごにしようと皆で話し合って、農場に別れを告げた。11日の日は一日ブカレストの町を一人で観光した。何年もルーマニアに来ているが、こんなふうに一人で過ごすのは初めてだった。地下鉄も意外に便利で楽しかった。名所にも出かけブカレストの町をを満喫できた。 そして後日ルーマニアから連絡が入って今年のふじの収穫量は147ビン、一ビンが約350キロ入る。すごい量だ。何とかお金になってくれと今はだだ日本で祈るだけである。