◆ 花崗岩 = 1 = (1/2) ◆

= Geological_Topics =

 


■ グラニット/グラニュー糖?

燕岳(つばくろだけ),有明山(ありあけさん)のふもとにある中房(なかぶさ)温泉。
その秘湯に通ずる道路にある「玉垂トンネル」。
構成岩質は、『花崗岩(かこうがん)』です。

巨石の積木を積んだような地山(じやま)でした。
岩(がん)自体は硬く、新鮮で、風化も進んでいません。
[業界では岩盤/岩石を岩(がん)と呼びます]

しかし、巨石(巨岩)なのです。
おおよそ、1m〜2m四方の大きさ、1立方メートル〜10立方メートル程度でした。

一般住宅の四畳半の部屋をイメージしてください。
床面積×天井までの高さを計算すると、
1.5間(2.7m)×1.5間(2.7m)×9尺(2.7m)=20立方メートルです。
その容積の半分程度の岩石が、積重なっているような状態です。

将棋の駒を積んで、互いに一駒ずつ指でそっと取っていく、
そんな遊びに似ています。
ある程度までくると、ひとつを取り損ねると、ガラガラと崩れてしまいます。

実際の工事では・・・、
  発破をかけて”ずり出し”が完了。
  ちょっと飛び出ている岩があるから、とってしまおう。
大型ブレーカで破砕しようと衝撃を与えた瞬間、どっす〜ん、と抜け落ちてしまうのです。
しかも、それひとつならまだしも、連鎖反応を起こすように数個が、
ドドド〜ん、ガラガラ、どっす〜ん、といった感じです。

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日本では、『花崗岩』という岩石は、『みかげいし』とよも呼ばれ、
最もポピュラーな岩石(石材)です。
美しく、硬く、風化(腐食)に強い岩石ですので、古くから石材としての利用が多かったためでしょう。

文字どおり、「花」は美しい、「崗」は硬いを意味しています。
石材としての代表格は「墓石」が真っ先に浮かびます。
寺社の参道などの石段や、家屋の沓石(基礎)などにも利用されています。
建材としての用途も広く、壁や床に多用されたりもしています。

花崗岩,みかげ石、という名称(呼び方)は、日本独特のもののようです。
かつては、中国でいう、「花石」という紋様の美しい石と、
硬い/強い(こわい)という意味の「剛」をかけ合わせたようにして、
「花剛岩」とする用例もあったようです。

花崗岩は、世界共通としてはGranite(グラニット)』とされていますが、
これもまた、語源/音感として「グラニュー糖」と似ています。
粒状のもの、といったことを意味しているのですが、まさにそのとおりですね。
花崗岩を構成する鉱物は、石英、長石、雲母です。
そのため、花崗岩を細かく砕くと、
粒ぞろいの「グラニュー糖」のような雰囲気があります。
さらに、陽の光をかざすとキラキラと輝き、美しさもあります。

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   つづく ( 花崗岩 = 2 = )
 

     

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