■ 高瀬川と梓川 /
乳川と烏川
♪♪ 槍で分かれた梓と高瀬、めぐりあうのが押野崎(おしのざき)
♪♪
安曇野に継がれる民謡、『安曇節』の一節。
高瀬川と梓川の川原の色を見ると一目瞭然です。
高瀬川の川原は白っぽく、梓川の川原はやや黒ずんでいます。
これは、その川が流れ下る周囲の山々を構成する岩石の色からくるものです。
花崗岩は白っぽい色をしています。
高瀬川の川原が白く見えるのは、
槍ヶ岳,常念岳,燕岳,針ノ木岳,爺ヶ岳などの裾を流れているためです。
一方、槍ヶ岳を境に、北アルプス南部は、
粘板岩,砂岩,チャート,安山岩(溶岩)などの岩石で構成されています。
これらの岩石は、黒っぽい色(暗灰色)をしています。
こうしたことから、梓川の川原は、黒っぽい色をしているのです。
= 北アルプスの構成岩質と安曇野の水系 模式図 =
クリーム色:花崗岩 ピンク色:粘板岩,チャート
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安曇野には、乳川(ちがわ)と烏川(からすがわ)という川が流れています。
高瀬川と梓川の川原の色に限りません。
燕岳(つばくろだけ),有明山(ありあけさん),餓鬼岳(がきだけ)より流れる、
中房川(なかぶさがわ)や乳川も同様に、川原は白っぽい色をしています。
対を成すような烏川は、常念岳(じょうねんだけ)より流れ下っています。
文字どおり、『乳』は白、『烏』は黒ですね。
川の名前の由来は定かではありませんが、両者の川原の石や砂の色からきている、
そう思われます。
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